閉所恐怖症にとってのサウナ風呂


サウナ風呂が好きで、スーパー銭湯とかカプセルホテルなどでは必ず入る。

サウナは完全な個人戦である。

サウナの熱気への耐性には、おそらく個人差があって、周りのペースに踊らされると調子が狂う。従って己との戦いをしつつ限界まで汗を流し、最後にビールをキューっと・・・(ラリったような目つきで)。

先日もスーパー銭湯に行ってサウナに挑戦してきた。

繰り返しになるが、サウナは己との戦いであり、また、そこには作法が存在する。バッターボックスに入る打者が一連のルーティンを行うように、プレイヤーが最高のアウトプットを得るための標準動作がまず求められる。したがって初見のサウナでは落ち着かず、行き慣れた場所でないとうまくいかないのだ。

まず準備段階の大前提は、インフラの確認である。空間は十分か。衛生面は問題ないか。サウナマットの交換サイクルはどの程度か。変なお客はいないか。水風呂の温度は適温か。サウナ→水風呂→休憩という基本サイクルを動かすための動線を確認しつつチェックしていく。特に休憩は重要で、プラスチックの背もたれ付き椅子が複数あるとベストである。この動きが停滞すると全てのサプライチェーン(?)を崩す事になる。また私は眼鏡をかけているので、サウナに入る前のメガネ置き場も必要だ。

そして、此処が超重要なのだが、サウナの非常ボタンを確認する事である。

好事魔多し。

この不確定な時代、何が起こるかわからない。

私はおまけに閉所恐怖症の気があるので、万が一この扉が開かなくなったら・・・という恐怖が常にある。

おまけに近眼なので眼鏡をかけて入ることができない。

ここでいかに恐怖感を持たず、サウナで自分との戦いに没頭できるかが勝負の分かれ目となるのだ。

私の作法としては

①まずは普通の風呂に入り、体と髪の毛は石鹸やシャンプーで洗っておく。

②そののち、ヌル目の風呂に30分入る(最近は炭酸泉なるものがあり、これを良く利用する)

③休憩(椅子に座るか、露天のスペースで、汗が引くまで待つ)

④サウナへ入る。出口の確認は怠らない(いつ地震でドアが歪むかわからないのだから)。最初は汗が出る程度で出ることにしている。

⑤水風呂へ。ここで頑張って急速冷却をする。休憩するための椅子の空きを確認しつつ。

⑥休憩。ここで全身を脱力する。口は半開き、目は閉じている。当然全裸なので、端から見たら、ヤバい人だが、サウナは個人戦なので気にしない。この最初の休憩が、最も快楽を得られると思う。急冷された肉体が、次第に温められてくる際に、うまくすると、肉体の感覚がなくなって無重力状態にいるような気になる。10分くらい休む。

⑦サウナ、水風呂、休憩を3セット繰り返し、ラストは水風呂で終わる。

これが一応私のお作法である。最近はロウリュウなどイベントが増え、個人戦でなくなりつつうあるのが気になる。

とはいえ、誰もいないサウナも実は逆に恐怖なのである。万が一自分が倒れた時に助ける人がいなくなる。

かつて数か月オーダーの単身での長期出張の際に、連泊するのでウィークリーマンションを借りたことがある。そこの風呂にプライベートサウナが付いていた。ラッキーとは思い皆に「いいところを見つけた」と自慢しつつ、一度も使用しなかった。怖かったのである。

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