【炭水化物の塊】オデン種としてのちくわぶを讃える


 オデンの中では、ちくわぶが好きである。

ちばてつや『おれは鉄兵』の上杉鉄兵と同じ嗜好なのである。

 ちくわぶは関東ローカルらしく、先日関西の人と呑んだ時に話題になり、ちくわ と ちくわぶの違いについて説明を要することがわかり、驚いた。

 ちくわぶは、所詮小麦粉の塊だろう、という指摘がある。炭水化物の塊であり、昨今の低糖質ダイエットからは目の敵にされる、「オデン種の中で、最も糖質量の高いもの」という扱いである。事実だからしょうがない。

 口が悪い人からは、グルテンを好きなのは鯉だけだ、お前は鯉なのか、と言われたこともある。

 鯉かな(Yes!)

 鯉じゃない(Yes!)

 「夏色のナンシー」を歌っている場合ではない。

 ちくわぶは、オデン種として出汁の中で煮られることにより、単なるグルテンの塊ではなくなるのだ。出汁の味が絶妙に染み込んだ歯ごたえのあるツマミになるのである。

 味が染みると言えば大根もそうだが、大根の水分が若干出汁と競合するように思える。その点、ちくわぶは相乗効果を示す。

 かようにハーモニーを奏でるオデン種なのである。

 そういえば、チビ太のオデンの一番下の円柱状はちくわぶだと今まで思っていたが、実はナルトだったようだ。正しくはコンニャク△、ガンモ◯、ナルト□らしい。(参考文献

 糸井重里の「萬流コピー塾」でも、

  ちくわぶや、何悲しゅうて、鍋の底

 という風流なコピーがあったと記憶している。

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