”少女漫画界に咲くドクダミの花”岡田あーみん先生に捧げる


1980年代後半の少女マンガ雑誌「りぼん」には恐ろしいエネルギーがあった(言っておくが、私は変態ではない)。

当時の連載陣で思い浮かぶのが

一条ゆかり『有閑倶楽部』
池野恋『ときめきトゥナイト』

といった安定した長期連載に加え、王道を行く本格派”もう毎号クライマックス”で有名な

柊あおい『星の瞳のシルエット』

そして変化球(ギャグ)である

さくらももこ『ちびまる子ちゃん』
岡田あーみん”少女マンガ界に咲くドクダミ”『お父さんは心配症』

このあたりは男性でも読むに耐えるものがあった。むしろ読者層でもない、男性を引き込む吸引力があったのだ。

特に忘れられないのが、やはりギャグの巨匠、岡田あーみん先生である。

『お父さんは心配症』『こいつら100%伝説』『ルナティック雑技団』と変態ギャグで一世を風靡し、執筆をやめて20年経つのに未だにコアなファンがおり、復刊ドットコムでもリクエスト1位になっている。

現時点でもまだ全ての作品(一部短編除く)が入手可能で、私の持っている『ルナティック雑技団』は2013年に第19刷が発行されている。

岡田あーみん先生が漫画を発表しなくなって20年。ネットの情報も極めて少ない。このサイトでも、何か新しい情報が得られることはないので、期待しないでいただきたい。

私の一押しは『こいつら100%伝説』で、変態ギャグがこれでもかと詰め込まれている。

主人公で一番おかしな奴の名前が”危脳丸”(あぶのうまる)。すごいネーミング。

ネタもかなりフリーダムで、

・麻をうっかり燃やして、その煙を吸ってラリるシーン

・毒キノコでラリるシーン

・霊媒医師が出てきて、その名前が”発禁スレスーレ”

・キリストのバロディで”ノー・キリスト”
(おまけに信者に対して”このアンポンタンども、オレが神の子の訳ねーだろ、バーカ”という暴言)

・墓石ダルマ落とし、から、墓石ドミノに発展。最後はナイアガラ花火でフィニッシュ
(それを仕掛けたのが、お寺の住職”ドミノマニアなんです、私”)

など、やりたい放題。

私もあれから20年の年を重ねたが、未だに読んで笑えるのがすごい。

だが、さすがに『星の瞳のシルエット』は……読めない、読めない(布団の中で、足をジタバタさせながら)。

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