三五八漬け(さごはちづけ)に再チャレンジとその感想(追記あり)


 そのままでは保存期間が限られる生野菜を長期保存する手段として、さらには、発酵などにより栄養物を強化させる手段としての漬物の製法には人類の知恵が詰まっていると思う。

 キャベツを千切りし塩を加え、大気中にいる乳酸菌で発酵を行うザワークラウトはその典型的な例で、乳酸菌により保存が効くようになると同時に人間が自分では作り出せないビタミンCを摂取することを可能にした。

 生野菜には貴重な栄養素があるが、保存の問題から地産地消になりやすい。人類の海上の長期移動ではビタミン不足により壊血病などの課題があった。人類の拡散におけるこうした栄養の課題を解決することが可能になったのである。

 日本でも鮒寿司のような熟鮓(なれ寿司)や、麹漬けなどの漬物が発達している。

 三五八漬け(さごはちづけ)は、塩麹の起源になったと言われているシンプルな漬物で、日本の米文化から生まれたものである。おそらく余った米飯の処理から考えられたものではないかと思われる。東北地方の郷土料理に良く供される。

 名前の通り、塩、米麹、蒸米を3:5:8の割合で入れることで漬け床を作る。野菜や魚、肉などを漬けることで味が染み込むと同時に保存性も上がる。塩麹との違いは、米を入れるか入れないかだけである。米がある分、水分を吸収しやすく野菜などに適しているらしい。

 また糠床と異なり攪拌する必要がほとんどないこともメリットであり、酒の肴とするために糠床に手を入れることを皆で嫌がることから始まる落語の「酢豆腐」のような匂い問題もない。

 かつて原始手法で自分で米を炊いたものから三五八床を作成した際には、うまくいかず(腐ってしまった)断念していたが、最近スーパーで「三五八漬けの素」があるのを見つけ、これなら、と購入してみた。まずはここからスタートしてみようかと思う。

追記:うまくいきました。キュウリやカブを漬けてみた。1日で結構漬かる。朝漬けて夜には水分が出てシワシワになっており、なかなかの性能。若干塩味がキツめではある。

追記2:鶏肉を半日漬けて(別の容器、ジップロックとかに分ける)、三五八と一緒にフライパンで鶏肉を焼くと、非常にうまい。三五八がいい感じのタレになっていると同時に、三五八の米が”おこげ”になっており、いい感じの衣になっているのである。。

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