【数学者ポール・エルデシュ】エルデシュ数の経営組織論への応用


ポール・エルデシュという有名な数学者がいる。サンシャイン池崎的に言うなら”数を愛し、数に愛された男”である。生涯に1,500編以上の論文を書き、旅を愛して放浪しながら、数学者たちに刺激を与え続けてきた。

様々なエピソードは、ポール・ホフマン『放浪の天才数学者エルデシュ』(草思社)に詳しい。

非常に面白い本である。

エルデシュは問題を作ることが上手かった。彼が作った問題を解くことで、数学上の新たな発見を生み出すこともあり、こうした数学者コミュニティ全体のレベルを上げることにも大きく貢献している。

あまりに多くの数学者と交流したことから、数学者の指標として”エルデシュ数”というユーモアを込めた概念がある。wikipedia より引用する。

まずエルデシュ自身のエルデシュ数を 0 とする。彼と直接共同研究した研究者はエルデシュ数が 1 になり、エルデシュ数が n の研究者と共同研究した研究者は n + 1 のエルデシュ数を持つ。エルデシュ数 1 の数学者は、2007年2月28日の時点で511人いるとされる

引用終わり

つまりエルデシュと直接研究をした(共著論文がある)人はエルデシュ数は1となる。その人と研究した人は2になるというものである。弟子は1で孫弟子は2となる。

ちなみに、ビジネスでも似たような概念を考えることができるであろう。

会社のトップと直接(チェックを受けず)コンタクトできる指数を定義するのである。

仮に、日本を代表する企業であるトヨタ自動車を例にとると、豊田章男社長に直接説明できる人の”豊田章男数”は1となる。トヨタ自動車の中で、豊田章男数=1を持つ人間がどのくらいいるのであろうか。

3桁人数いるだろうか?私はいないと思う(根拠なし)。

また、トヨタ自動車の中堅管理職である課長クラスの平均値だと、豊田章男数はいくつになるであろうか。興味がある。

つまり、会社は階層的構造になっており、平社員が直接トップに物を言う仕組みにはなっていない。仮に平社員が社長に報告する場合でも、その内容について、まず課長チェック、次に部長チェック、さらに事業部長チェックが入るであろう。つまり、この場合には、この平社員の”エルデシュ数”は4になる。

大企業よりベンチャー企業の方が”エルデシュ数”の平均値は低いであろうし、トヨタ自動車より本田技研の平均値の方が、なんとなくだけど低めになりそうだ(根拠ありません)。

そして”エルデシュ数”が小さいほど、その人間のパワーは上がっていくと思われる。

ビジネスパーソン諸兄のエルデシュ数は幾つであろうか。

また、昇進してもそのエルデシュ数が変わっていないとしたら、どうであろうか?

それは名ばかりの形式的ではない本当の昇進なのだろうか?

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