「旅を仕事にする」ではなく「仕事が旅になる」場合の不自由さ


このところ出張が多い。出張の目的は打合せであり、基本的にはコミュニケーションができれば良いので、電話、メール、TV会議などで済ませたい。

最近はTV会議がツール的に結構進歩してきているにもかかわらず、どうしても対面の会議、つまり「人と面と向かって会う」という行為は残る。

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さすがに海外は厳しいが、国内の場合なんだかんだで交通網が発達しているので、じゃあ会って話をしましょうか、ということになる。

Tv会議は結構双方向感があるようでなく、臨場感は迫力が伝わらない。先日も、一方では怒り心頭に発しているのに、先方では全くの平常運転モードで、会議が失敗した例もある(後で向こうに聞いたところ、こちらの”怒り”は全く伝わっていなかった)。

リアリティがないのかもしれない。

田中角栄のエピソード(wikipediaより抜粋)

相手を説得させる時は極力一対一で会い、一対一での説得ならば誰にも負けないと豪語した。盟友の大平正芳は「田中とは一対一で会わずに複数で会うこと。一対一で会えば、必ず言うことを聞かされてしまう」と述べていた。

大なり小なり会議ではその結論として意思決定を下す。その場合に利害調整として相手を「説得」する必要があり、そこには人間力というべき迫力が必要であり、やはりそのためにはTV会議では何か双方向で伝えられる「情報」に不足があるのである。これは何だろうと思う。雰囲気というか、オーラというか、人間力というか、風格というか。これをデジタル化はできれば、もう少し対面会議はTV会議に移行できるであろう。

そんな意味で、いつも「TV会議にできないのかな」とブツブツ言いながら出張をしている。昔の流行りの”旅を仕事にする”のは、自由な雰囲気があるが、今の私は”仕事で旅をさせられる”であって、言葉の順序が逆になっただけで、この不自由感はなんとも苦しいのである。

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