立ち飲み屋探訪:尻手駅「新川屋酒店」秘密基地のような奥が広がる角打ちで性善説に出会う


尻手駅30秒のところにある角打ちである。

店内に入るには、2箇所の入口がある。カウンター側と、酒店側から回り込む形の2つである。

酒店から回り込むと、カウンターだけでなく、更に奥に別室が複数あり、座席も用意されている。そこでも当然飲める模様。

間口は狭くて、中は広く、なにやら秘密基地のような趣で、ワクワクする。

カウンターに到着。

ホッピーセット(420円)を注文。ビニール袋に入っているのは”氷”である。

ホッピー指数は2であった。中は210円、外は160円、そして氷が50円という計算である。

ツマミも本格的である。鶏ガーリック350円。

そして周りを見回すと他のお客の動きに不審が。注文するたびに手元の紙に何か鉛筆で書いているのである。

よく見ると、「生 一」のような形で、自分の注文を自分で記録するシステムなのである。たぶん。

初めての店の初めてのシステム。若干の不安と共に、郷に入れば郷に従えという格言を思い出し、早速真似してみた。

ポテサラは通常の二人前くらいあるボリュームで250円という安さ。

帰る際にはこのメモを持って、酒屋のレジで精算となった。

やはりこのやり方は普通と違い変わっている。どうしても聞きたくなり、レジにいたお母さんにそのことを尋ねると「そうなんです、昔からこうやってお勘定してるんですよ」との回答。

要するに「勘定の自己申告制」であり、人間の善性を信じて、それに依存するシステムである。

これは無頼がありうる飲み屋業界において、結構勇気がいる施策ではなかろうか。

ただ、この店は常連さんが多く、そのあたりもこのシステムを支えているのかもしれない。

新たな文化に触れた思いで、店を後にした。

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