【腰からパリッと異音が】過去最大級のギックリ腰から復帰するまでの記録

   趣味の立ち飲みも最近ご無沙汰になってしまった。これには理由がある。

中国から帰国後、やはり身体的に弱っていたのか、風邪を引いてしまった。今回は強烈で、しばらく味覚と嗅覚が無くなってしまった。こうなると何を食べても旨くない。しまいには食欲自体が無くなってしまう。その結果、体力も落ちていくという悪循環。

その状態からようやく治った頃に、アイツがやって来たのである。

そう、ギックリ腰である。

今回は過去最大級の痛みであった。

しかしこの時点で、仕事は山場(いつも山場だけど)を迎え、更に夏祭りを迎えて町内会の用事も沢山ある、というアウェイな状況の中、何とか2週間かかって回復した。しかも会社は休まずにである(威張っていうことではないが)。

従って、今でも立ちっぱなしだと腰にクルので、立ち飲みも自然敬遠気味になっている。

今回は、ギックリ腰でも会社を休めない人(褒められないけど)向けに経験を記録しておきたい。

ギックリ腰を発症したのは日曜日。町内会の草むしりの日であった。今年は本部役員なので、持ち回り制の全ての回に強制出席する必要がある。さらに本部役員には、休憩時に草むしりに参加した人へお茶などの世話をする役割がある。そこで私は町内会館へ走り、買い置きのお茶ペットボトル500ml×24本入りの段ボールを持ち上げようとした。

その瞬間である。

……パリッ

あれ?

森永「チョコモナカジャンボ」を割ったような軽快な音が、腰の付近から発生したのである。

”パリパリッ”って……(白目)

その時はまだ、腰の付近に軽い疼痛程度であり、歩くこともできた。お茶を運び、休憩後も草むしりを続けていたが、次第に増す痛み。

   あれ?ヤバイかも。

家に帰り、さらに腰の痛みは増していたが、汗だくだったので風呂に入った。後から考えるとこれは大きな判断ミスであった。

夜にはまた町内会の役員会議があるので、腰を休めようと仰向けになり、しばし布団で寝ることにした。

   仰向けで寝た姿勢では痛みがなく、安静にしていれば良いかと思いウトウトした頃に…

電気が走るような激痛が。

思わず声が出る。

激痛で思わず無意識に身体が動くと、その動きでまた激痛が連鎖する。痛みの臨界状態である。

痛みの連鎖反応の中で、今、自分は仰向けのまま動けないことに気づき、続いて物凄い恐怖感がやってきた。

痛みによって、自力で立ち上がれないどころか今の姿勢すら変えられないのである。勿論寝返りも打てない。

   家人を呼び、知恵の輪、あるいは電流ビリビリ棒ゲームのような形で、辛うじて痛みが少ない姿勢を見つけていく。その姿勢を何回か繋げて、うつ伏せになるルートを見つけることに成功した。

ここで安心感が少し生まれた。うつ伏せだと、両腕によるアシストができるので、多少自力で身体を動かせる余裕が生まれるからであろうか。

とはいえ激痛は相変わらずあり、無いポイントの方が圧倒的に少ない。また、うつ伏せの姿勢を保持していると体重による圧迫で呼吸が苦しくなってくるので、長時間この姿勢でいることもできない。

しかし、ここから立ち上がる勇気は直ぐには出なかった。直立状態の不安定さを考えると、とてもでは無いが腰に負担がかからない訳がない。

これまでの経験を超える痛みの連発によって、意識とは別に身体が本能的に痛みを忌避するように反応してしまうようになってしまっている。

  痛みの方向に身体を動かすことを無意識的に拒否してしまうのである。ここから立ち上がるのにはまた時間を要した。

まず、うつ伏せから足だけ移動し、土下座態勢になる。

続いて、土下座から腕の力で後方にお尻を移動、これにより正座態勢になった。

その後は棚などを利用して手で身体を持ち上げながらゆっくり立ち上がる。

この一連の流れに15分。

    トイレに行くのだって大変である。この時ほどウォシュレットの有り難さを感じたことは無かった。

家人が妊娠していた際の「骨盤強制コルセット」が家にあったので、これを装着するとさすが妊娠用だけあって確実な効果があり、そろりそろりとなら、なんとか歩くこともできそうな感じであった。

とはいえ、この痛みでは着替えもできない。特に靴下。明日の出社もできないだろうなあと思いつつ、どう考えても休むことによる、あとあとの混乱を考ると悩ましい。本来なら身体第一で休むべきである。しかし仕事のことを考えるとそうも行かない状況。とにかく、今できる有効な処置をする必要がある。とてもではないが、クルマに乗れる自信もないので病院にすら行けないのである(救急車は最後の手段として取っておく)。

まずはネットで調べると、やはり直後に風呂に入ったのは完全な間違いで、初期にはアイシングが必要なようである。確かに今回のパターンはパキッという音があり、これはかつてやったことのある肉離れの音に良く似ている。

氷をビニール袋に入れ、うつ伏せ状態で直接肌に当てて冷やすことにした。冷たさで肌が痛くなったら休み、またアイシング。これをひたすら繰り返した。

また寝ていた時に気づいたが、痛みを恐れて姿勢を固定していると却って状態が悪くなる、つまり痛みを感じない”身体の振れ幅”が狭くなっていくような感覚があった。むしろ痛みのない姿勢を保ち、時には痛みをあえて確認しつつ、ある程度身体を稼働させた方が良いような感じもあったのである(あくまで個人的感想です)。要するに寝たきりだと却って悪くなりそうな感じなのである。

翌日。月曜日の朝。睡眠姿勢はうつ伏せで、ほとんど眠れなかった。

   何とか起床し、ズボンは1人で履くことができた。しかし靴下は履かせてもらう。コルセットを装着して駅まで普段の倍の時間をかけて、低速で歩く。

電車通勤の際の揺れ(特に加減速)が腰に来るが、早めに出て座席に座るようにすることで負担も軽減できた。とはいえ歩く速度は通常の半分以下、会社で追い抜かれるたびに理由を説明するのが悲しい。

偶然であるが、この週は外出がなく、会社での内勤メインだったのも助かった。

会社での仕事は通勤さえしてしまえば、デスクの前で椅子に座ってできる業務がほとんどなので、あまり気にならない。トイレに行く速度が遅いので余裕を持って早めに席を立つくらいが注意点である。

オフィスの仕事は運動不足を言われるが、まさにその通りで、こうなってみるとあらためて肉体的負荷が少ないのが実感できる。その上、椅子には回転軸があるので、無理に腰を捻る動きもしなくてすむ。ある意味、軽めの実戦環境でリハビリしているようなものなのである(いま振り返ってみた際の個人的感想です)。

この期間の生活で、最もキツイのは寝ている時で、寝返りなど姿勢を動かす際に痛みで起こされてしまう。更には、寝ぼけながらも痛みの無い姿勢を探した結果、答えの無いルートに迷い込んで難儀した。つまり、この先どの態勢に移動しても激痛、では来た道を戻ろうとしたら何故か戻るルートも激痛という八方塞がりで詰んだ状態になってしまうことが良くあった。その場合はどう打開するかというと、運を天に任せて痛みを覚悟して強引にカラダを動かすしかなく、全然安眠できないのである。

会社で嫌でもギックリ腰の話をする必要があるが、意外と経験者が多いのに驚いた。経験者から非常用にロキソニンテープを教えてもらう。「効きすぎる」と言われた結果、いよいよの時に使うことにした(結果使用せず)。

また3日間は帰宅して寝る前に毎日氷で患部をアイシングし、風呂は湯船に入らずシャワーで済ませる。

1週間もすると相変わらず低速かつ、支えつき徒歩であるが、何とか普通に近い生活ができるようになってきた。しかし、そこでまた新たな敵が訪れてきた。

咳である。

気管支炎になってしまったのか、咳が止まらなくなってしまった。しかも一度出ると連続してゲホゲホとやるカタストロフィなタイプの困った咳である。

これがまた腰に来るのである。支えがない直立姿勢のとき、寝ているとき、などの状態では危機的な痛みがあり、その都度悶絶である。

とはいえ1週間後には歩く速度がほぼ元どおりに、2週間後には痛みもほとんど無くなった。めでたしである。

今回の経験から得たポイントは

・これでもかというくらいの患部アイシング(3日間)

・1週間は風呂は湯船に入らずシャワーのみ

・動ける場合には無理しない負荷環境(例:オフィス内勤)で、痛みがない範囲で、できるだけ動く

といったことであろうか。

こんな記事もあった。

ぎっくり腰は「動かして治す」…腰痛の改善と治療の新常識

 世界の多くの国の診療ガイドラインには、ぎっくり腰を代表とする腰痛が起こった場合は3日以上の安静は良くなく、痛みの範囲内で動いた方が良いとされています。様々な研究結果から、3日以上安静にした人の方が、ふだん通り動いた人よりも、その後の経過が悪いことが分かってきたのです。腰痛への認識は、以前と大きく変わってきています。(以下略)

引用終わり

私は意外に間違っていなかったのであろうか(あくまで個人的感想です)。

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