立ち飲み屋探訪:関内駅「かのや商店」独特な雰囲気のマスターの魅力がたまらない


 関内駅から石川町方向、横浜文化体育館やボートピアのある方向へ向かうと、葬儀屋の隣に暗めの店が。

 そう、ここが「かのや商店」である。すでに常連がたむろしている中に入店。

 優しそうなマスターが「先輩、おかえりなさい!何呑みますか?」と聞いてくる。明らかに向こうの方が年上だが、ここはスルーしホッピーセットを注文すると、何故かニヤリ笑い。

 ホッピーセット到着。なるほどの焼酎の量。500円。前払い制である。

 ツマミはおすすめのハムカツ250円を注文。

    ちょっと散らかった感じのハムカツがやってきた。

 周りの常連をよく見ると、キンミヤの一升瓶をボトルキープして、ホッピーを飲んでいる。さすがだ。

 ボートピアが近いからか、店内のテレビはボートレースや地方競馬の中継で固定され、ボートピア終わりの老人が凝視している。

 ホッピーをなんとか飲みきった。冷蔵庫からセルフでハイボールと6Pチーズをもらい、お金を払う。このあたりからマスターの様子がおかしいことに気づく。

 なかなかオーダーを持ってきてくれなかったり、逆にお釣りを多めにくれて「サービスです(ニッコリ)」と言ってみたりするのである。どうやら昨晩朝の4時まで店を開けていたらしく、寝不足でヘロヘロになっている模様。ただ、それを差し引いても面白い。温厚で独特の間があるトーク。雰囲気としてはスリムクラブの真栄田のような感じ。

 前払い制なのにマスターがいつまでも勘定しないので適当に冷蔵庫から飲み食いしている老人たちに突然「お釣り渡しましたっけ?」とマスター。「マスター、まだ俺たち金払ってないよ!いくら?」と老人たち。「まあ適当でいいですよ。1,000円で」というアバウトさ。こちらもだんだん楽しくなる。

 常連たちがそうしているように、片付けも各自で実施する。

 誰かの家に遊びに来たような雰囲気。そして帰るときのマスターの一言「行ってらっしゃい!」

 非常に面白い雰囲気の店である。

 


Share