真鶴にて2019年初釣り惨敗と強制的仕事初め


 今年の冬季休暇はカレンダーの関係で例年より多く、何と9連休であった。とはいえ様々なイベントや儀礼は変わらずあって、なんだかんだであまり休みらしい休みになっていない。・・・という感想自体も例年通りなので、まあ通常運転の新年なのであろう。

 久々に真鶴で釣りでもやるかという気になった。しかし、完全に勘が鈍っており、どこに行くか、何を釣るかの考えがまとまらない。ポイントの記憶もうっすらで、やはり継続していないとダメである。とりあえず過去の記憶を頼りに、コンパクトロッドによる”なんちゃってウキフカセ”で小メジナ、小ウミタナゴ狙いとすることにしてみた。

 早川港より西方向の国道135が混む事だけは、経験的にわかっているので早朝移動で8時に真鶴某所に到着。早速釣りの準備を始めるが、久々過ぎて仕掛けの作成の手もおぼつかず、ヨボヨボ状態である。

 苦闘15分でウキフカセ仕掛けができた、と思った矢先に、スピニングリールのスプールを上げていないことが最終段階で判明して一からやり直す、ロッドのガイド1本に糸を通していないことが最終段階で判明して一からやり直す、挙句の果てにコンパクトロッドを落として根元のプラスチックネジが割れてしまう、などの種々のトラブルに見舞われた。

 もういっそ帰ってしまおうかという思いもよぎったが、何とか歯を食いしばり忍耐力で耐えて、いよいよ我慢の限界に達した頃、ようやく仕掛けが完成した。

 と見ると、目指す釣り座(ポイント)に先客が。完全装備のウキフカセ師である。あれれ、どうしてかな〜。僕の方が先に到着しているのに〜。確かにちょっと離れた位置にいて仕掛けを作るのに30分くらいかかっていたけど、明らかにこのエリアで、まともに釣りができる場所ってその釣り座がベストで、その優先順位1番の場所に黙って入るかな〜。

 いきなりの場所ロストである。

 まあ相手は正統派ウキフカセ師で、こちらは”なんちゃってウキフカセ”なので、気後れもする。要するに装備的には本気度と気合が違うのである。ただハゼ釣りであろうが、ヒラメ釣りであろうが、この世界、先に来た方が優先ではなかろうか。

 実際のところ、竿の長さも半分くらい違うので、そもそも仕掛けを投入可能な距離が異なる。したがって、ポイント自体の干渉はしないのだが、釣り座が干渉するのである。

真鶴某所、テトラの向こうにポイントがある(正確には、昔はあった)

 若干の不機嫌さを感じつつ、仕方なく別の場所を探し、おかしな態勢で釣りをする。まあ結局、この世界は釣った方が勝ちなので、結果で証明させてやると覚悟を決めた。

 まずは10円玉を海へお賽銭代わりに投げて、今年の釣りの安全を祈る。

 ・・・釣れない。昔はもっと活性があった記憶があるが、その記憶は5年前。やはり時代は流れる。生体反応ゼロで釣り座も姿勢がいまいち不便なので次第に飽きてきて、釣りを一時ヤメ、後ろの方からぼーっと正統派ウキフカセ師の動きを見ていた。

 正統派ウキフカセ師も全然釣れてない(ニヤリ)。

 少し気分が晴れてきた。投げては返し、餌取りすらおらず、ひたすら”海に糸を叩きつけるスポーツ”をしている。いやぁ、素振りがお好きなようで、大変そうですな(嫌味)。自分が釣れていないと地獄であるが、他人だと楽しい(性格悪い)。

 そうしていると正統派ウキフカセ師はやはり釣れないと見たのか、場所を移動して行った。まあ、後ろでニヤニヤ見ていた壊れたコンパクトロッドの変な奴の視線に耐えられなくなったのかもしれない。

 そして。

 正義は勝つということで、目当ての釣り座に到着である。釣り座は同じでもポイントが違うのであるから大丈夫、勝算はある。

 ・・・やはり釣れないのである。そうしていると、油断したのか突然大波が。

 バスタブ1杯分くらいの海水が私の前面を覆っていった。避けることもできず、一瞬にして下着まで浸水である。一応上着はレインウェアを着ていたはずなのに、先ほど”素振り”を見ている際に、熱いコーヒーを飲んで暑くなって、上着の前を開けるという凡ミスをしていたのであった(罰が当たったとは思いたくない)。

 いきなりの1月の冠水で、一気に体感温度が下がる。真鶴で上半身裸になりバスタオルに包まる羽目に。そんな私の横を、家族連れの観光客がまゆをひそめて通っていく。正月の海で何が悲しくてこんな屈辱的な格好にならねばならないのか。当然着替えがあるわけもなく、もうダメ、ギブアップということで終了である。

 わずか1時間の初釣りであった。

 素肌に直接レインウェアを着込んで車で帰宅した。寒い。さらに海水まみれでゴワゴワである。

 家に着くと今度は自宅のシャワーが故障しており、ぬるま湯しか出ない(罰が当たったとは思いたくない)。

 仕方なく、風邪覚悟でぬるま湯シャワーを浴びて、やけ酒でも飲もうかと思ったら、今度はLINEが。

町内会からの連絡である。会員のご家族の訃報が入り、緊急で回覧板で情報回覧する必要に迫られ、強制的に町内会の仕事初めとなった。当然のことながら、この手の話は時期を読んでくれるわけではないので止むを得ないことではあるが。

 風邪気味の肉体で、PC起動、文書作成し、手渡しで班長さん達に至急回覧の文書を配布するべく町内を歩き回った。回覧途中で内容訂正が入り、再度回収、再配布というアクシデントもあったが、もうどうでもいい。非常に疲れた。今年の運勢に一抹の不安が生じるのであった。

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