移転した”ものづくり文献調査の聖地”県立川崎図書館へ行って、マニアックな技術系雑誌を堪能する


 ものづくりを生業(なりわい)とする技術者にとって、かつて川崎競輪場、(旧)川崎球場の隣にあった県立川崎図書館は、なかなか使い勝手の良い強力な図書館であった。

 JISなどの各種規格類や、めったに書店に並ばない技術書、科学書、便覧、ハンドブックや、技報、技術系雑誌類が揃っているのである。

 しかも平日の夜まで開館しているので、仕事帰りに寄ることもできる。昔川崎駅近くに勤めていた時には、会社帰りに論文などを検索したことを思い出す。

 ここの司書さんも結構プロ意識が強く、昔のことであるが、ある技術の変遷を時系列的に調査する必要に迫られ、ある学会誌を過去15年間ざっとレビューして必要な記事をピックアップする必要に迫られたことがある。電子公開はまだしていない頃であり、かつ、文書のざっとした網羅検索性が必要な状態であった。司書さんに相談したところ、なんとラックに5冊分ぎっしり詰まった15年分の雑誌を出してくれたことがある。

 昔の建物は年季の入ったボロボロな建物で、川崎競輪場も近く、”浮浪者お断り”的な張り紙もあり、ディープな雰囲気の場所であった。

  老朽化のため何度も移転が噂されていたが、2018年5月に移転されたことを最近知った(遅い)。今度は、溝の口のかながわサイエンスパーク(KSP)の建物の中に移転したらしい。

 今回またしても、あるキーワードで各種の学会誌、技報、技術情報誌を調査する機会があり、移転後初めて行って見ることに。

 参考までに、調べる雑誌を挙げると「工場管理」「計装」「型技術」「省エネルギー」「機械設計」「NEC技報」「機械と工具」「Sheetmetal ましん&そふと」「いすゞ技報」「化学経済」など。なかなか、こんな雑誌類を一望にできる場所は見つからないのである。

 今回はCiNiiでフリーワード検索したものを、図書館で閉架から取り寄せを行なった。無かったのは2,3件だけで、ほとんど所蔵されていたのは流石という感じ。

 現時点でも電子化は進んでいるものの、紙のドキュメントをパラパラめくる検索性や、ざっと眺めている際にインプットされる情報量はバカにならない。検索による絞り込みとはまた異なる網羅性、俯瞰性があり、紙で印刷され製本された情報に直接あたる重要性は変わらない。

 KSPの建物は、なかなか綺麗かつゴージャス。ホテルや食堂もありなかなかの環境である。

 今回はクルマで行ったので、KSP地下にある有料駐車場に駐車した。料金は20分100円。ちょっと高めか。溝の口駅からは徒歩でも行けそう(15分)だが、バスもある。

 2Fの図書館入口。綺麗だ。

 中も明るくて、広い。開架書籍の量も増えている感じ。

 机も多く、結構人で埋まっている。やはり学生の受験勉強組もいるようだが、まだそれほど多くはない。

 さらに申し込みが必要だが、無料WiFiもあるので、ちょっとしたノマドワークもできそうだ。

 また1Fにはドトールコーヒーショップ、郵便局、ファミリーマートもあり、5Fにはカフェテリア形式の食堂もある。

 チキンカレー430円。午前中の読み疲れのせいか、一口食べてしまった。辛めだが、なかなか。食後1Fロビーにいたヤクルトレディからジョアを購入し、午後も作業である。結構疲れるのである。

 若干交通の便が以前に比較して微妙になったが、まる1日を資料収集に使うとした場合には、色々とインフラも揃っており、使い勝手が良いのは変わらずであった。

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