最近の三五八漬けの成功要因について、生産技術的観点から検討してみる

 この夏始めた三五八床はうまくいっており、もう1ヶ月くらい毎日お手製の三五八漬けを食べている。例年始めては見るが、放置したりして何度も腐らせていたのだが、今回は上手く継続している。

大根とキュウリの三五八漬け

 ちなみに三五八漬けとは、塩、米麹、蒸米を3:5:8の割合で入れることで漬け床を作るもので、山形県など東北で良く知られている発酵を利用した漬物である。

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 その要因について考えてみた。

①容器を小さめにし、透明で内部の様子(特に水)がわかるようにしたこと:

 使用しているのは100円ショップの円形タッパーで700mlくらいの容量である。これだとキュウリ2本入れたら満タンになってしまう。しかし、その方が小まめにチェックができる上に、補充もしやすい。要するに小ロットにし、見える化を進めたということである(職業病)。大きいサイズを漬けたいケースは実はあまりなく、そのような場合、例えば肉や魚を漬けたい場合には、小分けしてジップロックでやれば良いのである。

透明タッパーの容器。
水が出ているが、これを小まめに除去する

 更に透明であることで、染み出した水の処理に気を配れる。毎日チェックが習慣になる。蓋を開けずに確認できるので良い。また、水の存在は、塩分濃度に大きく影響する。これは味の問題と保存性の問題というトレードオフ問題を孕む(職業病)。つまり、三五八の旨味は麹によるアミノ酸の旨味であるが、塩分がこれと喧嘩してしまう。最初の段階はかなり辛い。しかし、塩辛いということは腐敗を防ぐという側面もあり、旨味を追求するには水分が、さりとて水分が多くなり塩分濃度が低くなると腐敗リスクがある。つまり、絶妙な管理が必要になるのである。これは結構理系ゴコロをくすぐる。

②冷蔵庫保管とし、反応の進行速度を遅くしたこと

 夏場は特に室温環境だと、温度が高いことによる反応の進行と、温度変化がある。これを抑えるために冷蔵庫に入れる。若干浸けるスピードは落ちるが、毎回晩御飯に出す分だけ補充するのであれば問題ないのである。プロセスの速度を自分の行動サイクルに同期、律速させたのである(職業病)。

食べた分だけ、キュウリを1本補充である。

 この2点ではなかろうか。深夜帰宅して、コンビニ弁当が置いてあったとしても、三五八漬けがあればちょっとした家庭の味になるのである(強がりではない)。

 ちなみに先日秋山温泉の前の農家直売店で売っていたジャンボキュウリを三五八漬けにしたら、更に美味かった。みずみずしさとキュウリの甘みがマッチして絶品であった。

 

 

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