【書評】施川ユウキ「バーナード嬢曰く。」5巻–まさかの激烈ペシミスト、E・M・シオランまで取り扱う幅広さ!


 2020年5月出版の、施川ユウキ「バーナード嬢曰く。」5巻を読んだ。

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 読書マンガであるが、ネタが良く続いていると感心する。少し神林さんが美人になっているような絵柄の表紙である。腐女子チックから変化であろうか。

 取扱う本もかなりの幅広さであり、そのチョイスがなかなかである。E・M・シオラン「生誕の災厄」まで扱われるとは思わなかった。

 シオランの筋金入りのネガティブさには痺れる。

 確か「悪しき造物主」(法政大学出版局)のラストのアフォリズムが特にカッコ良くて、”我々はみな地獄の中にいる、一瞬一瞬が奇跡である地獄の中に”のような感じだったと思う(うろ覚え)。

 ネットで調べてみたらちょっと違っていた。

 そんな感じで、神林さんの”本捨てられないあるある”など、今回も楽しく読めた。

 若干これまでの1から4巻より、今回のページ数が多いのが今後の動向を予想すると少々不安である。

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