【書評】小松左京「青い宇宙の冒険」ジュブナイルでありながら、ハードSF王道要素たっぷりの読み応え


 先日行きつけの古本屋にあった小松左京「青い宇宙の冒険」(角川文庫)を手に取った。懐かしい。高校生くらいで読んだ記憶がある。早速再読。

 なかなかの時代めいた表紙とデザイン。1976年発行の初版であった。イラストは長尾みのるである。 

 「量子的秩序のゆがみ」「超空間から見た宇宙」「四次元空間における三次元空間の鏡が合わせ鏡のように置かれたら?」といった、SFのもつイマジネーション満載な概念が、平易な文体の中で普通に描かれる。

 ジュブナイルでありながら、小松の科学的アイディアが大量に詰め込まれており、大人になった今でもまさに心躍る読書体験であった。

 

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