【近況】異動になってしまった


 最近、身の回りに変化があった。

 具体的には「異動」である。異動自体はこれまでも何度もあって、最近では3年前だが、今回は比較的大きな環境変化を伴うものであった。

 業務内容は広義の「技術企画」と変わっていないのであるが、その対象が変わったという感じである。

 その結果、勤務地が変更になり、周囲の環境も変更になった。

 新しい環境、新しい人間関係、業務システム、全てを再構築である。

 おまけにコロナ禍でコミュニケーション手段の制限もある。

 その一方で、新しい職場では、よりフロントラインに近くなった。さらにより困難な環境になった。解決すべき課題は山積みで、しかも待ったなしの状況である。

 例えると、昭和20年8月前半くらいの日本のような状況である。もはや無理ゲーのような気もするが、「地には平和を」みたいなifもあるので。

 まあ今まで別の立場で、偉そうに遠くからアレコレ理想論を言ってたら「OKY」(=お前が・来て・やってみろ)になってしまったというべきなので、嘆いていても仕方がない側面もある。自分の蒔いた種というか、自業自得というか。

 ただ、自分の信条として、まっさらの雪に最初に足跡をつけるような新規環境、未踏の状況は嫌いではない(むしろそっちの方が好き)。さらに、苦しい環境の方が、最初からマイナスのスタートなので気楽と言えば気楽である(強がり含む)。

 経験は自分では選べない、というが、得難い経験をしていると思っている。だが、その結果として傷だらけにもなっているという昨今である。

 個人的にも厳しい状況ではあるが、製造業の立場からすると、マクロ的にみてバブル崩壊から次第に続いてきた「日本のものづくり」が直面する課題、すなわち”日本でものづくりをする意味があるのか?”という問いへの最終ジャッジポイント、瀬戸際だといえるのかもしれない。

 正攻法なものづくりは既に「過剰品質」のレッテルを貼られ、DXだ、UXだ、IoTだというバズワードだけはあるが、結局儲かっているのは”ツルハシビジネス”だけというこの状況(異論はあるはずだが、いまだに納得はいかない)。

 ゆでカエルになった日本の製造業にとって、この時点では”刀折れ矢尽き果て”という内部状況と思う。反転攻勢というのは簡単だが、そもそもその体力すら残っているのか?という絶望感すらある。

 だが、最後の正念場と思って、残り少ない知恵を絞ってやっていくしかないのである。

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