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中国2週間出張で役に立ったモノと意外に役に立たなかったモノ


 中国出張から帰国して1ヶ月。帰国しても、仕事も町内会も色々と忙しく、更に体調が弱っているところに厳し目の風邪にかかり、咳は止まらないし、味覚と嗅覚が無くなるしと非常に大変な日々であった。

 唯一の望みGWも5/1,5/2を休みにしてしまおうと、最後の最後まで粘りの調整を試みたが、痛恨の判断ミスにより5/1出勤となってしまった。

 真面目にそろそろ精神的、体力的に休養を取らないと、ヤバイ気がする。かといって、時間があったらやりたいと思っている遊びも、準備不足で直ぐにはできなかったりして、非常に悩ましい。

 その前に、中国四川省出張のまとめをしておきたい。

 私としては初の海外出張。中国という土地も初めてであった。

 主には「技術調査」が目的であるが、通常は先方(例えば中国の支社の駐在員)などがアテンドしてくれるのが普通(?)だが、今回は諸事情があり自分でそのあたりの現地調整もやらなくてはならないというアウェイな状態であり、なかなかの緊張感であった。

 私は閉所恐怖症気味なのだが、今回も海外出張でも同様の恐怖感を持つことに気づいた。厳密には閉所ではないにもかかわらず、海外という土地に対して”閉じ込め”という恐怖感が湧くことに気づいた。つまり、”何かあった場合自宅に自力で帰れるという安心感がある国内”と違い、何かあっても簡単には帰れない=閉所という形で恐怖感が沸き起こるのである。

 そんな感じで準備に関しては色々ネットや会社の海外出張族に情報を聞いて、色々グッズを揃えておいた。役に立ったものとそうでないものがあり、今回はその使用感を記載しておきたい。

☆☆☆☆☆:星の数が期待通り度=役に立った、持って行って良かった

★★★★★:星の数が期待ハズレ度=役に立たなかった

と表示することにする。

・中国四川省成都市

・滞在期間:12日(10泊)

【役に立った編】

☆☆☆☆☆:小型洗濯ネット(100円ショップ)

 ホテルで下着の洗濯はしてくれるサービスがあったが、ハンカチや靴下は自分で風呂の際に洗って部屋干しした方が便利であった。

☆☆☆☆:電源マルチタップ

 中国は200Vで日本の電気製品のほとんどが変換なしで使用できる。電気シェーバー、スマホなどもコンセントに直結であった。しかし、ホテルのタップ数は限られているので、マルチタップは常時使用できて良かった。

 カシムラのAC充電器AS-36。AC3口、USBポート2口付きで十分である。

☆☆☆☆:ポケッタブルライトパック

 mont-bellの軽量リュックで、使用しないときには、ポケットサイズにまで小さくできる。軽量なので薄手の布だが内装も丈夫(コーティングしてある)で、仕事用具を入れて持ち歩いた。ペットボトルホルダーもあり、非常に重宝した。

☆☆☆:ショルダーポーチ

 同じくmont-bellの軽量ポーチ。肩からかけられる。これも使用しないときは手のひらサイズまで畳めるので便利。

 貴重品などを入れるのに使用した。ただリュックと両方使うケースは実はあまりなかった。

☆☆☆:有料VPN(ポケットWiFi)

 中国の通信事情は意外と良く、ホテルの無料WiFiなどもある程度使用できるのであるが、重かったりそもそも閲覧できるサイトに限定があり万一の際の通信手段として今回は日本で契約した。結果としては日本と同様の通信環境で全く問題なく過ごせた。お値段は1日2,000円と高めの契約だったが、自分のスマホが日本同様で使用できるという心理的安心感がやはりある。

 アプリとしては「百度地図」が役に立った。地下鉄の出口まで指示してくれる上、オフラインでも使える。WiFi環境は非常に整っているので、これさえあれば町歩きも不安が無いと思わせる。

☆☆☆:圧縮袋

 旅行の期間が長いとトランクへの荷物に占める衣類の比率が多く、パッキングの際にはこれがあると非常に便利。いくつかのサイズを100円ショップで複数(10袋くらい)購入して使った(破れた場合も含め多めに持っていった)。

☆☆☆:お香セット

 これは別に誰からもアドバイスも受けず、事前のネット調べでも出てこなかったが、自分の判断で持っていったもの。私は嗅覚が精神安定に関わっており、匂いが気になる。その意味で、ホテルの部屋で日本の香り(今回は白檀の香り)を1本焚くことでリラックスできた(タバコみたいな感じであろうか)。私のお気に入り”鳩居堂の「ちとせ」”である。ちなみに知らずにマッチを持っていったら空港で取り上げられた。

☆☆:旅の指差し会話帳

 文庫版を持っていった。なんだかんだで飲食店では特に中国語が話せなくても注文ができ問題なかった。ただ何かと携帯しておくと、万が一のため安心感がある。今回はまさに万が一の非常時に使用する場面があった。地下鉄の駅でトイレ(大)を緊急的に催した際、ジェスチュアに限界があり、かつ”トイレ””レストルーム”などは全く通じず、この会話帳の「厕所」のみを指差すことで、絶大な役割を果たして、ことなきを得た(本当です)。

☆:薬

 四川省なので基本的に料理が辛いことは知っていたが、こちらに関しては特に問題なく対応できた。現地の水も基本的には飲むな、という情報がありミネラルウォーターで対応したので問題はなかった。

 ただ万が一ということもあるので正露丸と太田胃散を持っていったが、これはほとんど使わなかった(ちなみに上記記載の地下鉄の駅での腹痛の原因は、油断して屋台の生果物を食べてしまったことであった)

【持っていったけど役に立たなかった編】

★:ウェットティッシュ

 事前に色々なサイトでお手拭きや除菌で必要とあり、アルコール除菌タイプを5パックくらい持ってきたが、結果ほとんど使わず、現地に置いてきた。

★:トイレットペーパー

 中国ではトイレに紙が常備されていない、ということでトイレットペーパー(人によると赤ちゃん用の”流せるお尻ふき”が良いとも)を持っていった。しかし、今回の成都中心部では全くその必要がなく、トイレに紙があった(おまけに洋式で、紙をトイレに流せる)。

 成都中心部はある意味日本以上に近代化しているという感想である。勿論、成都の郊外に行くと、トイレ環境は結構厳そうではあった。

★★:日本食

 四川料理の辛さや腹痛リスクなどから、事前に”サトウのごはん””アルファ米””味噌汁”などの日本食を持っていくようアドバイスを受け、アルファ米(防災備蓄品)、缶詰、芋焼酎(黒霧島の一升パック!)まで持っていった。

 結果としては、現地の料理に基本的に適応(むしろうまい)した結果、最終日まで食べることなく残ってしまった。ただ唯一食べたくなった日本の味は「カリカリ梅」で、これは確かにこの地では無い味で、体が欲する味であった(結局食べていないけど)。

 関連記事:中国四川省で飲み食いしたモノの記録を公開する(食べ物編)

 お酒も現地の薄く(2%から3%くらいしかない)常温のビールで、ほぼほぼ満足できてしまった。ただ、黒霧島は最終日に、まだ現地に残る日本人の仲間に渡したら非常に喜ばれたので結果的には良かったのであるが。

★★★:ウルトラライトダウンジャケット

 軽く、圧縮袋と併用することで非常にコンパクトになる。3月であるが”日本より寒い”という情報もありユニクロで購入し、持って行ったが、出張期間は意外に暖かく全く使わなかった。

★★★★★:日本語の小説

 日本語の本(SF小説など)を持っていったが、意外に全く読む気がおきず、枕元に置きっぱなしであった。一応この機会にということで未読のダン・シモンズ「ハイペリオン(上下)」を持っていったのだが・・・。

【一番役に立ったのはこれだった】

 今回の中国出張の孤独感を最も慰めてくれたのは「日本語の歌」であった。

 ホテルの部屋で夜遅く出張レポートを日本に送信した後の、リラックスした僅かな時間でスマホから聴く、これらの歌には本当に励まされたのであった。

 巨大なクリーンルーム内で座る場所もなく、一日中立ちっぱなしでひたすら動いているという過酷環境でこれらの歌を口ずさむ(クリーンスーツとマスクをしているので声が外に漏れにくい)ことで、苦しい仕事に耐え抜くことができたと思っている。

 その曲を以下あげていきたい。

  • 中島みゆき「この空を飛べたら」
  • ブルーハーツ「青空」
  • ブルーハーツ「日曜日よりの使者」
  • 川嶋あい「明日への扉」
  • 半崎美子「サクラ〜卒業できなかった君へ」

 そして、更に特筆すべき2曲をあげておく。

ナターシャ・グジー「いつも何度でも」

 冒頭のチェルノブイリ原発事故に関する自らの体験を含む話の後に、ジブリの「いつも何度でも」を歌うのであるが、あまりの歌唱力の巧さに鳥肌が立った。

・秋田東中学校の合唱:

 平成23年度NHK全国音楽コンクール東北ブロック 課題曲 証(あかし) 

 わずか6人の女子中学生の合唱であるが、今だに何度でも聴き、そして感動する。少人数であり、かつ指揮者もいない中でハーモニーを合わせている。ひたむきさも伝わってくるが、何より一つの合唱曲の演奏としての恐ろしい完成度。まさに”心”が伝わってくる合唱であった。彼女たちの姿勢を見て、中国のアウェイな環境下で悩むオッサンとしても、まだ頑張ろう、という勇気を振り起こしてくれた。その意味で、名前も知らず今どこにいるかわからない彼女たちには、本当に感謝したい気持ちでいっぱいである。

 

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作成者: tankidesurvival

・男性 ・アラフィフ ・技術コンサルタント ・日本国内の出張が多い ・転職を経験している ・中島みゆきが好き ・古本屋が好き