油そば専門店「ぶらぶら」平塚店で、油そば特盛とライスをガッツリ

   外出先の平塚駅で昼食の店をひとり探す。

   気分はラーメンをガッツリ食べたい感じであるが、ワイシャツを着ているので飛沫で汚れるのが怖い。

   そこで汁無しの油そばがよろしいだろうと、北口にある「ぶらぶら」へ。ライスと一緒に「特盛」を注文。特盛までは価格が同じ690円なので得した気分である。ライスは100円である。

   油そばとライスは、ラーメンとライスに比べ、相性が良い気がしている。油そばのほうが全体としてひと塊の味が強いのでオカズ能力があるのではないかと思う。

    そんなこんなで午後も仕事なので、急いで油そばをかき込む。なかなか旨い。 刻み玉ねぎやお酢を入れて味変も楽しむ。

   ある程度食べて、ふと我に帰りワイシャツを見ると、細かな飛沫が点々と……。

 おかしいなあ、スープが無いのにと思うが、濃いめのダシが食べるたびに飛んでいるのであった。急いで水とハンカチで応急処置である。とほほ。

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【書評】谷川ニコ「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」13巻:もはや黒木さんを中心に回るリア充の世界

 最新刊13巻を読んだ。このところの黒木さん(もこっち)のリア充ぶりには拍車がかかり、もはやモテモテである(女子にだけだが)。

 個性の強いキャラが黒木さんを中心に関係とドラマを作っていく巻である。そして黒木さん自身は我関せず、厭世的な雰囲気(あるいはゲスな雰囲気)を持ちつつ孤高を保っている状況である。

 読者が仮に男性の”ぼっち”であった場合、ある意味、理想の学生生活であろう。一方女性読者はこの関係性に共感するのであろうか?

 とはいえ少々登場人物の増加とその色々な関係性が複雑になって、今までの単純なストーリーを読むアタマで読んでいると結構面倒になってきたのも事実である。相関図とか欲しくなってきた(完全についていけてない)。

 今回一番笑った一コマ。”声優はみんなエロゲーに出演する”というデマを吹き込む黒木さん。

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修羅場をくぐる経験の必要性ー国産民間ロケットの開発を応援する

 今年6月末に民間ロケット打ち̅上げが失敗し、炎上した。

 このロケットの打上げ失敗は二度目でもあり、色々な報道がなされている。

 産経新聞の記事(「小型ロケットの打ち上げまた失敗 発射直後に爆発炎上 北海道大樹町のベンチャー企業」2018.06.30)から引用すると

 北海道大樹町のベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」は30日早朝、同町の実験場で小型ロケット「MOMO(モモ)」2号機の打ち上げを行ったが、直後に落下して爆発炎上し、失敗した。同社によると、けが人はいないという。

 引用終わり

 上記のような動画映像でも流れており、ロケットが墜落、炎上する”事故”映像はなかなかインパクトがある。

 昨日(7月20日)の日経記事(有人」「費用減」両立の壁 民間ロケット「MOMO」2号機 失敗 小型衛星の需要対応急務 )で、少し背景を含めた分析がなされている。 

「将来は人を乗せて飛ばしたい」と語る高い志と、コストを抑えたいという民間ならではの 事情が、困難な挑戦をさらに難しくさせている。

モモ2号機は全長10メートル、重さは約1トン。高度100キロメートルの宇宙空間を目指していた。激しく燃える姿はロケット開発の難しさを印象づけた。

引用終わり

 上記記事に書かれているように、確かにその炎上の映像はなかなかショッキングであり、それに記者自身も引きずられたように、今回のプロジェクトの困難さと深刻さを強調した記事になっている。

 しかし、私は敢えて今回の「失敗」映像、即ちロケットが推力を失い落下して炎上する様は「美しい」と思う。急いで付け加えるならば「美しい失敗」の映像に見える。技術者として大きな「可能性」が見える映像に思えるのだ。

 新しいものを開発する経験をしたことのある人々は理解しているであろうが、数限りない試作を行い失敗を繰り返した末に完成品ができる。

 ロケットという「製品」は確かに規模が大きく、1回のリスクが大きい。

 しかし開発プロセスそのものに失敗の無いものはなく、むしろ 「良い失敗」を繰り返し、その経験を蓄積しフィードバックしたプロジェクトこそが本当に成功するのである。

 失敗を殊更にアピールして、コストだリスクだと、深刻さを表現するのが最近のビジネス環境に横溢している。失敗を恐れて挑戦しない。そのくせ、新しいチャレンジ精神がないことを危惧するという分裂気味の論調が溢れている。

 失敗を恐れるな、と言い、その同じ口から失敗を責める。

 こうした内部、外部からの一律な”正論のノック”は単純にプレーヤーを萎縮させてしまう。正論や理想論を語るベンチのコーチや観客席の観衆ばかり多くなり、グラウンドでプレーしているプレーヤーはひたすら消耗している。本当にそれで良いのだろうか。観客席はそんなに心地よいのだろうか?

 今回の「失敗」が本当に良いものかどうかは今後の検討を待つしかないが、失敗は大きな経験である。そこには汲み取るべき多大な知見が含まれている。これをひとつのデータと考えれば、今回の開発者たちは貴重な技術的経験ができたと言える。

 先に述べた「失敗」しない開発はない、という意味を掘り下げると、仮に一度も失敗が無く終了したプロジェクトよりも、失敗を繰り返したプロジェクトの方が、私の経験上信頼できる。

 製品が市場に出たあとに、新たに潜在的にあったリスクが顕在化し、トラブルに発展した場合、失敗を繰り返した経験に裏付けられたプロジェクトの方が問題把握力、解決力に優れていると思う。

 いわば”修羅場をどれ位経験したか”が、製品のライフサイクルの中で勝負になる場面は必ずあり、一度も失敗しないで辿りついたことが必ずしもアドバンテージにはならないと私は考えている。

 もちろん失敗の原因を分析し、きちんと正しい形で本質的是正処置をすることにより、恒久対策に落とし込むという管理プロセスが必要なのは言うまでもないことであるが。

 最近のIT技術の進歩により、仮想的な机̅上検証の精度が上がっている中で、こうしたリアルな失敗はショッキングな要素を含む。もっとも危惧するのは、こうしたことが開発が本来すべき「良い失敗」「正しい失敗」自体を否定する動きに加担してしまうことである。それはあってはならない。

 「フロントローティング」や「試作レス」と言った上流設計志向により、開発期間を短縮する圧力も高まっている。しかし、最後はバーチャル空間ではなく、リアルな実体で勝負することになることは変わらない。そこを忘れてはいけないと思う。

 つまり、こうしたリアルな失敗は、正しく「するべき」なのである。

 繰り返しになるが、今回の「失敗」を貴重かつ有益な経験とすべきであり、その”修羅場” から得られる経験はこの開発者たちの今後の大きな糧になると信じている。

 かくいう私だって、これほどのスケールではないが*億円する装置を、検収前の試運転で設計ミスに起因する不具合で壊してしまったこともあるのだ(威張ることではない)。

 なので1回や2回の墜落くらい気にするな!と励ましてあげたい。

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【残業の友】パネトーネ種とのベストマッチを発見!ー長期保存可能パン 「コモ 甘酒小町」が中毒性のある美味さ!

 コモという独特なパンの銘柄がある。パネトーネ種という長期保存が可能なパンで、防災備蓄食品や会社などの自販機内に置かれており、サラリーマンとしては”残業の友”として食べることがよくある。

 他のパンと異なり、酸性度が高く、水分活性が低いという特徴があり、長期保存を可能としているという。コモのWebページから引用する。

パネトーネ種に含まれる乳酸菌は、糖を発酵して乳酸やアルコール、酢酸、炭酸ガスを生成。生地のpHを低下させ汚染細菌の生育を防止するため、通常のパンの賞味期間が2~3日であるのに対し、35日~2年という長期保存が可能となるのです。

引用終わり

 ベースとなるパン生地の風味は基本甘くて、軽めのパンである。コモの製品の中には「カレーパン」もあるが余りうまく出来ているとは思えない。がっつり食べたい時には、甘さと軽さで少々物足りないのである。

 そんな中、こんな製品が出ていた。「甘酒小町」である。

 「甘酒風味フラワーペーストには、京の酒・佐々木酒造の米麹ピューレを使用しています」とある。甘酒風味ねえ・・・。ちなみにフラワーペーストとは、友栄食品興業のWebによれば

フラワーペーストとは、英語の「小麦粉」(flour)と、「ペースト状」(paste)を合わせた日本の造語です。食品衛生法では「小麦粉、澱粉、ナッツ類もしくはその加工品、ココア、チョコレート、コーヒー、果肉または果汁、いも類、豆類または野菜類を主原料とし、これに砂糖、油脂、粉乳、卵、小麦粉などを加え加熱殺菌処理をしてペースト状にし、パンまたは菓子に充填または塗布して食用に供するもの」と定義されています。

引用終わり

 ここで言うフラワーって「花」じゃなくて「小麦粉」なのか。知らなんだ。

 気になるアルコールは含まれていない。

 割ってみる。ずっしりとしたペーストであり、食べると見事に「甘酒」である。しかもその風味がパン生地とよく合っている。ペーストのコッテリとパンの軽さが合っており、甘酒の風味とパンの微妙な甘さがマッチしているのである。これはパネトーネ種のパンとベストマッチではなかろうか。

 甘党で無い人にも食べられる、なかなかのグッドアイディア製品である。

 これを食べたいのだが、手に入るのが新潟の出張先の会社内の自動販売機しか今のところ知らないのである。若干禁断症状が出てきそうな感じで、非常に美味いパンであった。

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やはり今年も夏祭りで熱中症(2年連続)

 今年も町内会の夏祭りが終わった。ヘトヘトである。異常に暑い中、3日間働きづめで肉体疲労で倒れそうである。しかもギックリ腰の爆弾を抱えつつの肉体労働であった。

 今年度は本部役員のため全ての行事に出席する必要があり、前日、当日は1日中働きづめ、祭りの翌日も午前中いっぱい片付けである。

   この3日間は日本全国猛暑の中、炎天下の肉体労働のため、いくら水分を取っても殆どトイレに行くことがなく汗で出てしまっていた。そして昨年同様、疲れのピークと暑さで最終日の片付けの最中に指先痺れが発生し、軽い熱中症の兆候が出てきた。昨年の反省があるので塩飴、水分補給、休憩で何とか乗り切れたが、きつかった。

   今年の熱中症対策としては

  ・帽子は必須

  ・1リットルサーモスに氷水が最強

  ・塩飴は2袋必要(他人に分配用)

  ・タオルに水を染み込ませ首に巻くと良い

   といったところであろうか。

 弱小町会のくせに(だからか)、業者を頼まず、ヤグラの設営から模擬店から更にはゴミ捨てだの物品手配だのと細々とした雑用も全て少ない本部役員でやることになる。当日に至っては8:30出勤で帰宅は22:30である。なかなかのブラック企業の働かせ方である。ちなみに財政危機のため、役員であっても食事代や手当など一切出ない。全て自分の持ち出しである。

 おまけに本部役員は1年交代なので経験値が蓄積されない。前年の反省点を引き継げないので、毎年効率の悪いことをやっているのである。

 更に地元のボス連中が、やれ今年は段取りが悪い(多分毎年言ってる)だの、自分の勘違いを認めず自分たちの手配した物品を誰かが横流ししただの、自分の所に神輿が巡行しないのは失礼だの、やたらと手を動かさないのに文句の声だけはでかいので閉口する。

 こちらはペコペコしながら黙ってそれを聞いているだけで面倒臭いので反論もしないが、ただただ「町内会って面倒くさいもんだなあ」というモチベーションが下がるのである。過去にも本部役員をした翌年に「町内会を脱退する」人が出ているらしい。それもこれも、労多くて実り少ない報われないこうした状況も大きな要因なのであろう。

 ただ、そんな人ばかりではなく、老人でありながらも率先して黙々と炎天下の中で働いてくれる人も少なからずいる。こうした人がいてくれるお陰で、何とか「形だけ若手」の我々も辛うじてモチベーションを途切れさせることなく、やりきることができた。

    冷静に考えると祭りの準備、片付けの動員数も昨年に比較して、少しずつ少なくなっている。やはり高齢化の影響と新規世帯の未加入という町内会の本質的問題の現れであろう。それに伴って1人当たりの仕事負荷が徐々に多くなり、早晩危機が訪れそうで心配である。

   今年は本部席からの祭りの眺めである。

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ヴィ・ド・フランス「 塩パンソフト」が甘しょっぱくて美味い

 毎日暑い日が続く。日本全国どこでも暑い、という感じである。

 先日新幹線から在来線の乗り継ぎ時間が余り、何か涼しげなものをと思い入ったパン屋「ヴィ・ド・フランス(VIE DE FRANCE)のメニューにあった「塩パンソフト」に目を惹かれた。

 値段も手頃で、注文すると店員さんが店内にある「塩バターフランス」を取ってきて、厨房にて2分割して中にソフトクリームを入れる。

 こんな感じ。パンはしょっぱいが、ソフトクリームにディップして食べるとなかなか美味い。アイスに醤油というような感じであろうか。量も適度な感じなので、まさに暑いときにはこれとアイスコーヒーで涼める。

 満足である。また食べてみたい。

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ついにオフィスのオンタイム狙いー透明ノンアルビール「オールフリー オールタイム」はちょっとビールから遠くなってしまい背徳感に欠ける

 透明飲料が流行る中で、ついに出た透明のノンアルコールビール。

 そして狙いはオフィスである。やはりノンアルコールビールの市場拡大のためには、オフィスのオンタイムを狙うのは確かにわかる。

 実際に完全ノンアルビールが発売された時点で、すでに「これって普通に会社の就業時間中に飲んでもいいんだよね」「でも見た目があからさまに酒っぽいからなあ」「そのうち総務部門から通達が出るんじゃないの」なんて会話があったのだ。

 出張などの昼ごはんでラーメンと一緒にノンアルビール、というのは別に問題ないはずだが、何か違和感というか背徳感を感じるのも事実である。

 そんな中、ペットボトルで、透明で、という製品が出た。サントリー「オールフリー オールタイム」である。

「さあ、みなさんの会社で飲めないという背徳感の原因要素を全部取り除きましたよ!」というサントリーからのニコニコした声が伝わってくる(幻聴である)。

 完全な透明。そしてビールっぽさの全くない白を基調にしたペットボトルデザイン。これで朝のコンビニで買って、オフィスで普通に飲む風景が当たり前になるのであろうか。

 飲んでみると、強め炭酸と果汁(レモンかライム)のフレーバーを感じる。あまりビールっぽさ(麦っぽさ)がないのである。つまりビールではなく、フレーバー付き炭酸飲料っぽい。つまり、ビール特有の酩酊感の先走りもないし、高揚感もない。缶入りのオールフリーでは当然それがあるのだが。

 参考記事:【ビールテイスト飲料の市場】ホッピーとオールフリーの居酒屋における棲み分け戦略

 味もさることながら、もう一つの要因”泡”がやはりビールっぽくないからであろうか。

 まあ、これなら確かにオフィスでも気兼ねなく飲める。自販機に入れるのを総務部が許可しそうな感じである。

 でも、それでは面白くないので、少々置きに行った感が否めず、それなら別の炭酸飲料を購入したいよ、と思ってしまった。惜しいのである。もっとビール側に寄せるべきではなかったか。

 ここはむしろ清涼飲料水側から寄せていくのではなく、真っ向から仕事中にビール(酔わない)を飲む、というイメージ戦略の方が良いのではないか。ドラマとタイアップして、のべつまくなしに冷蔵庫からノンアルビールを鯨飲しているワーカホリックの物語などの方が、既成概念をぶっ飛ばして新たな市場を作りあげることができるように思う。

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京都ラーメンの名店「本家 第一旭」スープをいつも完飲してしまう旨さ

久々の京都方面出張。暑い日々が続く。

京都駅でふと早めの昼食で、まず思い浮かんだのが、ラーメン「本家 第一旭」である。ここはいつも行列ができているが、この炎天下(30度を超えているであろう)、かつ、オフピーク時間なら、という思惑で店の前まで行くと。

やはり予想通り、行列がなく待ち時間無しで入れる。ラッキー。

ただあまりお腹は空いてないので、「肉なしラーメン」(550円)を注文。

シンプルな豚骨醤油であるが、脂豊富で後引く旨さである。九条ネギもいい感じ。

柔らかめの麺を食べ切ったあとも、スープを堪能してしまい、いつも完飲である。

満足。

朝5時から開店しているので、非常に重宝する店である。旅行先の朝食でビールと一緒にやったら、と夢想するも、現実は仕事であると直ぐに引き戻される。

汗がどっと出つつ、また移動である。

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【腰からパリッと異音が】過去最大級のギックリ腰から復帰するまでの記録

   趣味の立ち飲みも最近ご無沙汰になってしまった。これには理由がある。

中国から帰国後、やはり身体的に弱っていたのか、風邪を引いてしまった。今回は強烈で、しばらく味覚と嗅覚が無くなってしまった。こうなると何を食べても旨くない。しまいには食欲自体が無くなってしまう。その結果、体力も落ちていくという悪循環。

その状態からようやく治った頃に、アイツがやって来たのである。

そう、ギックリ腰である。

今回は過去最大級の痛みであった。

しかしこの時点で、仕事は山場(いつも山場だけど)を迎え、更に夏祭りを迎えて町内会の用事も沢山ある、というアウェイな状況の中、何とか2週間かかって回復した。しかも会社は休まずにである(威張っていうことではないが)。

従って、今でも立ちっぱなしだと腰にクルので、立ち飲みも自然敬遠気味になっている。

今回は、ギックリ腰でも会社を休めない人(褒められないけど)向けに経験を記録しておきたい。

ギックリ腰を発症したのは日曜日。町内会の草むしりの日であった。今年は本部役員なので、持ち回り制の全ての回に強制出席する必要がある。さらに本部役員には、休憩時に草むしりに参加した人へお茶などの世話をする役割がある。そこで私は町内会館へ走り、買い置きのお茶ペットボトル500ml×24本入りの段ボールを持ち上げようとした。

その瞬間である。

……パリッ

あれ?

森永「チョコモナカジャンボ」を割ったような軽快な音が、腰の付近から発生したのである。

”パリパリッ”って……(白目)

その時はまだ、腰の付近に軽い疼痛程度であり、歩くこともできた。お茶を運び、休憩後も草むしりを続けていたが、次第に増す痛み。

   あれ?ヤバイかも。

家に帰り、さらに腰の痛みは増していたが、汗だくだったので風呂に入った。後から考えるとこれは大きな判断ミスであった。

夜にはまた町内会の役員会議があるので、腰を休めようと仰向けになり、しばし布団で寝ることにした。

   仰向けで寝た姿勢では痛みがなく、安静にしていれば良いかと思いウトウトした頃に…

電気が走るような激痛が。

思わず声が出る。

激痛で思わず無意識に身体が動くと、その動きでまた激痛が連鎖する。痛みの臨界状態である。

痛みの連鎖反応の中で、今、自分は仰向けのまま動けないことに気づき、続いて物凄い恐怖感がやってきた。

痛みによって、自力で立ち上がれないどころか今の姿勢すら変えられないのである。勿論寝返りも打てない。

   家人を呼び、知恵の輪、あるいは電流ビリビリ棒ゲームのような形で、辛うじて痛みが少ない姿勢を見つけていく。その姿勢を何回か繋げて、うつ伏せになるルートを見つけることに成功した。

ここで安心感が少し生まれた。うつ伏せだと、両腕によるアシストができるので、多少自力で身体を動かせる余裕が生まれるからであろうか。

とはいえ激痛は相変わらずあり、無いポイントの方が圧倒的に少ない。また、うつ伏せの姿勢を保持していると体重による圧迫で呼吸が苦しくなってくるので、長時間この姿勢でいることもできない。

しかし、ここから立ち上がる勇気は直ぐには出なかった。直立状態の不安定さを考えると、とてもでは無いが腰に負担がかからない訳がない。

これまでの経験を超える痛みの連発によって、意識とは別に身体が本能的に痛みを忌避するように反応してしまうようになってしまっている。

  痛みの方向に身体を動かすことを無意識的に拒否してしまうのである。ここから立ち上がるのにはまた時間を要した。

まず、うつ伏せから足だけ移動し、土下座態勢になる。

続いて、土下座から腕の力で後方にお尻を移動、これにより正座態勢になった。

その後は棚などを利用して手で身体を持ち上げながらゆっくり立ち上がる。

この一連の流れに15分。

    トイレに行くのだって大変である。この時ほどウォシュレットの有り難さを感じたことは無かった。

家人が妊娠していた際の「骨盤強制コルセット」が家にあったので、これを装着するとさすが妊娠用だけあって確実な効果があり、そろりそろりとなら、なんとか歩くこともできそうな感じであった。

とはいえ、この痛みでは着替えもできない。特に靴下。明日の出社もできないだろうなあと思いつつ、どう考えても休むことによる、あとあとの混乱を考ると悩ましい。本来なら身体第一で休むべきである。しかし仕事のことを考えるとそうも行かない状況。とにかく、今できる有効な処置をする必要がある。とてもではないが、クルマに乗れる自信もないので病院にすら行けないのである(救急車は最後の手段として取っておく)。

まずはネットで調べると、やはり直後に風呂に入ったのは完全な間違いで、初期にはアイシングが必要なようである。確かに今回のパターンはパキッという音があり、これはかつてやったことのある肉離れの音に良く似ている。

氷をビニール袋に入れ、うつ伏せ状態で直接肌に当てて冷やすことにした。冷たさで肌が痛くなったら休み、またアイシング。これをひたすら繰り返した。

また寝ていた時に気づいたが、痛みを恐れて姿勢を固定していると却って状態が悪くなる、つまり痛みを感じない”身体の振れ幅”が狭くなっていくような感覚があった。むしろ痛みのない姿勢を保ち、時には痛みをあえて確認しつつ、ある程度身体を稼働させた方が良いような感じもあったのである(あくまで個人的感想です)。要するに寝たきりだと却って悪くなりそうな感じなのである。

翌日。月曜日の朝。睡眠姿勢はうつ伏せで、ほとんど眠れなかった。

   何とか起床し、ズボンは1人で履くことができた。しかし靴下は履かせてもらう。コルセットを装着して駅まで普段の倍の時間をかけて、低速で歩く。

電車通勤の際の揺れ(特に加減速)が腰に来るが、早めに出て座席に座るようにすることで負担も軽減できた。とはいえ歩く速度は通常の半分以下、会社で追い抜かれるたびに理由を説明するのが悲しい。

偶然であるが、この週は外出がなく、会社での内勤メインだったのも助かった。

会社での仕事は通勤さえしてしまえば、デスクの前で椅子に座ってできる業務がほとんどなので、あまり気にならない。トイレに行く速度が遅いので余裕を持って早めに席を立つくらいが注意点である。

オフィスの仕事は運動不足を言われるが、まさにその通りで、こうなってみるとあらためて肉体的負荷が少ないのが実感できる。その上、椅子には回転軸があるので、無理に腰を捻る動きもしなくてすむ。ある意味、軽めの実戦環境でリハビリしているようなものなのである(いま振り返ってみた際の個人的感想です)。

この期間の生活で、最もキツイのは寝ている時で、寝返りなど姿勢を動かす際に痛みで起こされてしまう。更には、寝ぼけながらも痛みの無い姿勢を探した結果、答えの無いルートに迷い込んで難儀した。つまり、この先どの態勢に移動しても激痛、では来た道を戻ろうとしたら何故か戻るルートも激痛という八方塞がりで詰んだ状態になってしまうことが良くあった。その場合はどう打開するかというと、運を天に任せて痛みを覚悟して強引にカラダを動かすしかなく、全然安眠できないのである。

会社で嫌でもギックリ腰の話をする必要があるが、意外と経験者が多いのに驚いた。経験者から非常用にロキソニンテープを教えてもらう。「効きすぎる」と言われた結果、いよいよの時に使うことにした(結果使用せず)。

また3日間は帰宅して寝る前に毎日氷で患部をアイシングし、風呂は湯船に入らずシャワーで済ませる。

1週間もすると相変わらず低速かつ、支えつき徒歩であるが、何とか普通に近い生活ができるようになってきた。しかし、そこでまた新たな敵が訪れてきた。

咳である。

気管支炎になってしまったのか、咳が止まらなくなってしまった。しかも一度出ると連続してゲホゲホとやるカタストロフィなタイプの困った咳である。

これがまた腰に来るのである。支えがない直立姿勢のとき、寝ているとき、などの状態では危機的な痛みがあり、その都度悶絶である。

とはいえ1週間後には歩く速度がほぼ元どおりに、2週間後には痛みもほとんど無くなった。めでたしである。

今回の経験から得たポイントは

・これでもかというくらいの患部アイシング(3日間)

・1週間は風呂は湯船に入らずシャワーのみ

・動ける場合には無理しない負荷環境(例:オフィス内勤)で、痛みがない範囲で、できるだけ動く

といったことであろうか。

こんな記事もあった。

ぎっくり腰は「動かして治す」…腰痛の改善と治療の新常識

 世界の多くの国の診療ガイドラインには、ぎっくり腰を代表とする腰痛が起こった場合は3日以上の安静は良くなく、痛みの範囲内で動いた方が良いとされています。様々な研究結果から、3日以上安静にした人の方が、ふだん通り動いた人よりも、その後の経過が悪いことが分かってきたのです。腰痛への認識は、以前と大きく変わってきています。(以下略)

引用終わり

私は意外に間違っていなかったのであろうか(あくまで個人的感想です)。

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