【書評】山田正紀「花面祭 MASQUERADE」華道を舞台にした、ハッピーエンドを許さない連環的な読後感を持つ本格ミステリ

 山田正紀「花面祭 MASQUERADE」(講談社文庫)を読んだ。

 華道を舞台にしたミステリであり、4人の若い女性華道師範による、秘伝の花”しきの花”をめぐる謎解きを縦糸にしながら、過去にこの流派で起こった”事件”をめぐる大きな謎解きがリンクする。

 4人のヒロインたちは、それぞれ春夏秋冬の”四季”がシンボライズされている。小説の中では、これらの四季に応じた花々が登場し、いわばむせ返るような花の風景が咲き乱れるのである。

 更に過去の事件と、ストーリー自体の現代をめぐっては”輪廻転生”がキーワードとなる。”しきの花”は輪廻転生もシンボライズされているとされ、”しき”=死期という仕掛けもある。

 ミステリ空間では、”しきの花”をキーワードとして、むせ返るような「花」の乱舞の中で、次第に謎が解かれていく。

 本格ミステリらしく、大がかりなトリックも仕掛けられ、ある種のカタルシスも得られるが、本書の特色としては、こうしたミステリアスな雰囲気の中で最後まで閉じることであろう。本来ヒロイックなはずの「探偵」自体も、最後にはこの物語から明確に排除されてしまうのである。

 こうした読後感はある意味著者の真骨頂で、最後まで読者にある種の新規な仕掛けを与えるサービス精神とも思える。

 本来カタルシスや安心感を与えるはずの、読後感においてミステリとしては収束しておきながら、物語としては安易に終わらせない、いわば連環的なイメージを与えている。

 これはすなわち本書のメインテーマである「輪廻転生」そのもので、ミステリの題材というより著者の持つSF的志向がうまく融合されたものと言える。

 

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【ラーメン】厚木ラオシャンで大盛りワカメタンメンの玉ねぎマシ+緑茶ハイをキメる

 本厚木駅で、久々に締めのラーメンを食べたくなった。駅からほんのわずか歩く(5分くらい)距離であるが、「厚木ラオシャン」へ。いわゆる平塚を中心とするラオシャン系の店である。

 店内にはコの字カウンターに大将とお母さんが。メニューも毛筆でなかなかすごい。「大盛りワカメタンメン」670円に玉ねぎマシ+70円である。

 信頼感ある手際でやってきた。いつもの細麺クタクタが、飲んだあとの体に沁みる。酸っぱい感じもたまらないのである。

 増量した玉ねぎにワカメがマッチ。そして、ある程度食べたら、激辛ラー油で味変。これも素晴らしい。

 せっかくなので、緑茶ハイもいただく。これはこれで、酔った体に染み渡る(違うと思うが)。

 平塚駅前のラオシャンもいつの間にか閉店しており、歴史あるこの味をぜひこれからも食べたいものである。

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【ブックセンターいとう】30年前の多摩ニュータウンにあった超大型古書店の思い出【博蝶堂】

 あれは1980年代前半から1990年代前半。

 まだバブルが弾けていない、古き良き時代のことであったと記憶している。

  多摩ニュータウン近郊に出現した「超大型古書店」の思い出について語ってみたい。

 これはBOOKOFFのようないわゆる「新古書店」とは異なる。

 既存の町の古本屋の倉庫を、そのまま深夜営業の大型店舗にしたようなカオス感というかアナーキー感が漂う非常に面白い店であったのである。

 特徴としては、

 ・郊外にプレハブ倉庫のような超大型店舗(場合によっては2階建てもあり)

 ・深夜営業(おそらく大学生向け)

 ・本棚が異常に多い

 ・同じ本を多数置くことも許容

 ・大学の指定教科書の販売が多い(多摩ニュータウンの特徴)

 ・雑誌もバックナンバー含めとにかく多数置く

 ・今でこそ「あり」だが、立ち読み自由

 といった形で、とにかく物量が異常に多かったのである。

 おそらく多摩ニュータウンの立地(土地があり、大学生が多い)に適していた形態だったのであろう。

 また、BOOKOFFのような、本にスーパーのようなシール値札をつけるようなことはせず、 古書店らしく裏に鉛筆で値段を記載していた(当時のこと。現在は不明)。

 しかし、その後BOOKOFFなどの新古書店の台頭により、この店舗形態は駆逐され、それと同質化していった。

 そして現在のBOOKOFF的な新古書店ビジネスの停滞とともに、いっしょに駆逐されようとしている。

 代表的な店舗としては

 ・ブックセンターいとう

  ・ブックスーパーいとう(上記の”センター”と兄弟店舗らしく、のちに統合)

 ・博蝶堂

 などがあった。

 特に「ブックセンターいとう」の本店(東中野本店)は野猿街道沿いにあり、その2階建てで極めて巨大な店舗には度肝を抜かれ、圧倒された。まさに今でこそ当たり前の”せどり”の宝庫のような感じであったが、意外にも値付けは正確であったように記憶している。

 周辺の中央大・明星大などの大学指定の教科書などが大量にリサイクルされるようで、結構理工学系の書籍もあり、理工系の学生にとっては助かった。

 学生時代の私は50ccバイクに乗って、深夜の時間潰しもかねて良く寄っていた。いくら時 間があっても見尽くせない物量であり、心ときめいたのである。

 この店は今も同じ場所に店を構えているが、BOOKOFFに近い形態になってしまっており、当時の面影はない。

 博蝶堂も野猿街道沿いにあった店舗であり、既に閉店している。

 形態はさらに”古本屋の倉庫”に近い形態になっており、高い天井まで届く本棚には黄ばんだ年季の入った古い本が大量に並んでいて、カオスに加えエキゾチックな雰囲気があった。誰が買うの?と思われるような本が、多くあったのだ。

 ここで今や完全に忘れられている(?)城戸禮(きどれい)の三四郎シリーズ(春陽堂文庫)を1冊50円で大量に購入したが、その後の扱い(処分)に困ったのも良い思い出である。当時の私のつたない”せどり能力”では、これを掴むには時代が早すぎるのを感知できなかったのである。

 河出書房の<現代の科学>シリーズも、大量にかつ安価(300円均一)で販売されていた。これは今でも入門書としての価値があり、助かっている。

1冊300円で購入した河出書房の<現代の科学>シリーズ

 2019年5月、町田にあった大型古書店「高原書店」の倒産、閉店がちょっとしたニュースとなった。

 ここが今私の生活圏の中で、最後の”超大型古書店”であった。

 予備校を改造した店舗で、4F建てにぎっしりと書籍があり、学術書、児童書、漫画、SFなどジャンルは多岐にわたり、セール本から高価本まで値付けも確かであった。

 四国にあったという倉庫の100万冊とも言われる膨大な書籍の行方はどうなってしまうのだろうか。再び古本市場に流れて、我々の目に留まれば良いが。

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葡萄を潰して自然放置してみただけで発酵して、”1%未満の何か”になってしまった

 発酵という人間が見つけ出した現象は、保存性、風味や栄養成分のアップ、はたまた新たな物を生成するといった、まさにテクノロジーである。

 自然には酵母菌が存在し、果実の糖(グルコース)をアルコールと炭酸ガスに変化させる反応が起こる。

 要するに、自然に果実を放置しておくだけで、俗にいう「酒」になるのである。もちろん、それを更に品質を高めるための手法もあったが、そもそもこうした現象が自然に、かつ、容易に存在したところに、ある種の神秘というか奇跡のようなものを感じる。人間にとって非常にラッキーというべきか。

 そうした人類の進歩における発酵現象を追体験するという観点から、葡萄を潰して、ビンの中で放置してみることにした。

 スーパーで適当に葡萄を購入。たまたま目についた山梨産の「サニールージュ」とメキシコ産の種無しぶどうを購入。サニールージュも種無しぶどうだったので、種子を取り除く手間が省けた。

 葡萄は洗わず、そのまま使用することとした(自己責任)。自然酵母は表皮についていることが多いと聞いたためである。

 この葡萄を茎から外し、果実をボウルの中で掌を使ってワシワシ潰す。そしてアルコール消毒(焼酎である)した、広口プラスチックビン(1.5L)に投入。

 100円ショップで購入したものであるが、このビンの口は、注ぎ口が取外しでき、かつ、注ぎ口もロックと軽く蓋を置くだけの状態にもできる(炭酸ガスの放出モード)ので、まさにこの用途に便利である。

 入れた直後はこんな感じ。潰したばかりの果汁はまだ白っぽい。

 このビンを夏場(8月)の台所に、ただ置いておくだけ。

 室温は特に調整していないが平均して25℃はあったであろうか。

 1日目は何も変化がなく心配していたが、2日目からはブクブクと泡が発生。発酵による炭酸ガスであろうか。かなり炭酸ガスの放出が活発であり、うっかり蓋をロックすると膨張して破裂の危険があるので、蓋は軽く抑えるだけにしておく。上の方に皮などの固体層が浮かび上がり、下方に果汁の液体層の二層に分離してきた。

 果汁の色も皮から染み出してきた影響か、少し赤っぽくなってきている。

 3日目にはこんな感じで、かなり活発に泡が出ており、蓋をロックするのが危険な感じである。皮などの固体層と果汁の液体層は分離している。これは「粕帽」と呼ばれるらしい。

 上方で空気に露出している皮にカビがつきやすく、最終的には腐敗の原因になるらしいので、適度に果汁とひたすように、木のスプーンやビンを攪拌して混ぜ合わせる。

 耳をすますとブクブクとした音が聞こえてきて、反応が進んでいることがわかる。

 4日目には炭酸ガスの放出が止まってきた(ゼロではない)。

 このあたりで再びビンの中身を全てボウルに取り出し、目の細かいステンレスのザルを使用して、果実部分を再度圧搾する。もちろん素手である。そして果汁部分だけを分離してビンに戻し、今度は冷蔵庫へ。このあたりである事情(後述)から、発酵のスピードを落とす必要があるのである。

 そして5日目。いよいよ味見である。糖分はなくなり、甘味は極めて薄くなっているようだ。そのかわりに何やら気持ちの良い感じの液体に変化している。若干の炭酸が残り、スパークリングな感じである。特に腐敗臭的なものもなく、非常にフレッシュであった。やはり糖度が足りないのか、1%未満的な味わいであるが、それでも気分が良い液体である。

 沈殿物である澱(おり)を除去した結果、最終的に500mL程度の「液体」ができた。これを冷蔵庫で熟成させつつ、チビチビいただくことにする。

 ここまでの結果をまとめると、要するに、葡萄を潰して放置するだけで、自然酵母による反応により、別の飲料になってしまうのである。

 特別な酵母を入れる、砂糖を追加するなどの、より”そっち寄りに”品質を高める方法はあるようだが、今回は、単純に葡萄を絞ったものを放置しただけで、別の飲料になってしまうということを実証してみたことになる(なんでこのような周りくどい言い方をするのかは、後述)。

 ある意味、自然の力のみによる現象であり、これは太古の人類にとって重要な発見であったと思われる。テクノロジーへの第一歩というべきか。

 ただ、そうした自然現象とは別に、日本では酒税法の問題がある。したがって、本記事では、あくまでアルコール度数1%未満になるように発酵を調整した結果であることは強調・追記しておく(これはこれで、どぶろく裁判などの事例もあるように議論の余地があるが、趣旨がずれるのでここではこれ以上述べないこととする)。

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【うどん】相模原の肉汁うどん「南哲」の「ひや肉うどん」の”ひやひや”が太麺モチモチで激ウマ!

 橋本駅と相模原駅の中間にある、肉汁うどんの「南哲」に入店。人気店であり11:00開店で既に6人行列。

 ここは車でのアクセスが便利であるが、橋本駅から徒歩で向かってみた。ちょうど2kmなので20分ちょい。そんなに遠い感じではない。

 店内に入店すると食券を購入する。やはり暑いので、冷やし系のメニューを選択。

 「ひや肉うどん」の大盛り(600g)930円。麺と汁の温度を選択でき、”ひやアツ”=麺冷やし、汁熱、”アツアツ”=麺、汁共に熱い、”ひやひや”=麺、汁共に冷やしというチョイス。ここは珍しい”ひやひや”を注文である。

 更にトッピングの肉を倍にする(肉倍150円)。

 このようなかけうどんであるが、麺はギュッと締められ、かつ、スープも冷えている面白い感じ。麺は太く、もちもちで歯応えが良い。吉田のうどんよりキメが細かく、ツルツルしこしこであり、武蔵野系であろうか。

 シンプルな肉とシャキシャキねぎの食感を楽しみ、ガッツリと麺をいただく。スープは醤油系のさっぱりであり、夏に”ひやひや”は非常に合うのである。

 店内も活気があり、非常にいい感じ。これ以外にもトッピングメニューも充実しており、人気店なのも納得。

 食事を終えて11:20に店を出ると既に駐車場は満車であった。ホスピタリティもよく、名店である。

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【ラーメン】町田の昭和48年創業の老舗「水岡」で酢ラーメンの優しい味が沁みる

 アフターコロナの町田の様子もだいぶ元どおりの様子になってきた。かなりの空腹で昼ごはんを探していると、以前からずっと気になっていた歴史のある佇まいのあるラーメン屋「水岡」に行ってみることに。

 昭和48年創業だと、2020年現在で47年目になる。20歳だとしても67歳になるわけで、なかなかの歴史を感じる。

 入店すると優しそうな年配の女性がコップに水を持ってきてくる。普通のラーメンも興味があるが、「酢ラーメン」900円に、麺大盛り+100円、そして焼き餃子5個450円を注文。

 酢ラーメン大盛りが到着。鶏がらスープにラー油。そしてあんかけがかかっている。麺は細麺縮れ系の柔らかめで、スープと合う。美味い。

 お酢で追加の味変もしつつ、完食。塩気少なめだが、気にならない。加齢とともにコッテリは堪えるようになってきた。その意味ではこれはOKである。

 餃子も優しめな味で満足である。

 汗だくで食べていると、さりげなく奥さんが団扇を何も言わずにそっと置いてくれ、歴史ある店のホスピタリティに満足である。

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【ラーメン】ど・みそ町田店–たまには濃厚なラーメンが食べたいときに「特みそこってりらーめん」

 町田で昼食を食べようかと思い、たまには良いかとラーメン屋を探索。

 町田ターミナルプラザ 2Fにある東京系味噌ラーメンの「ど・みそ」に入店。「パパパパパイン」の向かいにある。

 食券機で悩んでいると店内ポスターで「迷ったら初めにこれ」とある「特みそこってりらーめん」900円を麺大盛り150円で。

 ソーシャルディスタンス対策でカウンターには間仕切りが。

 スープは背脂があり、濃厚味噌なのだが、意外とすっきりしている。面もやや太めの軽く縮れ+もちもち系でスープに絡んで非常に旨い。

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コロナ後の初のサイゼリヤ1人飲み–小エビのサラダにペコリーノ・ロマーノを混ぜてワインのつまみにしたら、ツマミと酒の”振り子運動現象”が発生して永久運動になりそうに・・・

 ダイエットをしていたこともあり、以前は良く行っていたサイゼリアもご無沙汰になっていた。まあ、ピザやドリアが目当てだったので、この状況では少々無理がある。

 ここでピザとワインというのがお気に入りだったのだが。

 コロナ後で少しずつ平常運転に戻ってきて、先日一人飲みをしてきた。

 赤ワインを。「キャンティ」1,100円である。グラスが割れない素材で、ガラスのようでガラスではないので、持った瞬間に、見ていたガラス想定の重さイメージと違って、結構軽いので一気に持ち上がってしまい、一人なのに勝手に乾杯をしてしまっている。

 「フレッシュチーズとトマトのサラダ」300円。

 「アロスティチーニ(ラムの串焼き)」400円。この付け合わせの”やみつきスパイス”が旨いのだが、メニューと比較してあまりに少ないのはいかがなものか。ならばと50円出してもう1回単品でスパイスを注文したら同じサイズできた(泣)。この調子では何人前頼めば良いのか見当がつかないので、諦める。

 ワイン1本を開けるのには、まだツマミが足りない。さりとてピザ、ドリアなどは厳しい(メニューにはカロリー表記もしてあるので、やはり無謀なことはできないのだ)。そこで「小エビのサラダLサイズ」500円。これで一気にボリュームアップした。

 それに羊のチーズ「ペコリーノ・ロマーノ」100円を。塩辛く、細かくスラッシュしてあるので、これをサラダに混ぜるといい感じ。

 結局ワインボトルを開けた上に、今度はツマミ側が過剰になるという”酒飲み振り子運動現象”が発生(意図的?)。そこで「白ワインのデキャンタ500ml」400円を追加。

 このまま熱力学の第二法則に反して夢の永久運動を実現しても厳しいので(特に肝臓方面)、ここまでで収束。

 メニューの価格は以前にあったように切りが良い(300円とか500円)で端数もなくトータル3,250円でフィニッシュである。

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高温高圧加工で骨まで食べられる干物「まるとっと」を食べてみた

 先日ネットニュースで「日本の宇宙食にアジの干物が認定された」というものを見つけた。

 関連記事(外部サイト):「アジの干物」が宇宙へ…“宇宙日本食”に初めて選ばれた干物はどうすごい?担当者に聞いた

 「まるとっと」という商品で、高温高圧加工によって骨まで柔らかく食べられるため無重力空間で失いやすいカルシウムを摂取しやすい、という。

 ちょうどアマゾンで調べてみると、”[株式会社キシモト]骨までやわらかい干物「まるとっと」1尾セット14点入り(あじ/さんま/たい)”という商品があり(現時点では在庫切れ)、ポチッと買ってみた。14点で5,100円なので1匹あたり360円くらい。

 こんな感じで真空パックされている。圧縮処理されているのか身は締まっている。味も塩、バジル、みりんと複数ある。

 そのままでも食べられるようだが、少し温めて食べるといいらしい。レンジで1分程度温めると香りが出ていい感じ。

 チェアリングのお供に屋外で食べてみた。柔らかく、美味い。加圧されているからか嵩が小さくなっている感じがあり、酒のツマミにはよい。

 冷蔵で保存も効く(180日)のでいい感じ。やはりというか、上記の宇宙食のニュースをきっかけに、一時的に通販サイト(アマゾン、楽天)でも在庫が無くなっているようで人気が高まっているようだ。

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思い立って午後休みを取った日には、たまの贅沢にオフィス街の蕎麦屋で、重役気取りで”昼なのに呑み”

 先日のこと。都内の外出先で、午前中に仕事が一段落したのち、時間がフワッと空いてしまった。このところ色々疲労もあり、良いタイミングであることもあって、ここで午後休暇とした。

 オフィス街の田町駅前である。休みも取ったし、いっそ昼食がてら一杯やってしまおうかと思って散策する。結構サラリーマンが昼食を食べており、なかなか昼飲みできる雰囲気もない。

 気分としてはカイジ・スピンオフの「ハンチョウ」の大槻班長の”背広による立ち食い蕎麦屋飲み”のエピソードチックなことをしたい心境である。

 田町駅西口の駅前「森永ビル」の地下に「エンゼル街」なる居酒屋街があり、昼食時にはランチをやっている。

 いろいろ検討の末、その一角の蕎麦屋「謙徳蕎麦家」に行ってみた。

 店内にはランチと思しきサラリーマンが、一人でランチを食べている。やはり都内の駅前オフィス街。ランチでも900円くらいする。

 ここは大槻班長と同じく、”昼から飲める重役気分”を意識し(自意識過剰気味に)まずは席につく。

 飲みメニューもあるが、どれも結構高め。ただ、今回はそれも含めての「やらかす」気分である。

 飲み物は、蕎麦焼酎「玄庵」の蕎麦湯割り530円をチョイス。既に重役気分である。

 つきだしでは、以下のような寿司が出てくるのもなかなか。

 ツマミは、「くさ(焼き海苔)」420円。まずはカッコつけも含めて注文。

 「京にしん(甘露煮)」530円。

 蕎麦焼酎をお代わりしつつ、13:00を過ぎると店内はもはや独占状態になり、落ち着いて飲めるようになってきた。ここは昼と夕方の中休みがないので落ち着いて飲める。

 そして、最後は「もり蕎麦の大盛り」(740円+160円)。勝新気取りで日本酒を掛け回すのは流石に遠慮した。

 うまかった。

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