立ち飲み屋探訪:名古屋駅「立陣」で、台風で新幹線が止まっていくパニックの中、串カツ食べながらSNSを眺める

最近新幹線が良く止まる。色々論議はあるものの、私としては社会インフラのシステム的に至極合理的な判断だと思う。

インフラは「動かし続けてなんぼ」と「安全に」を両立させなくてはいけないので、それに関わる人たちは大変だ。

個々の意思決定も難しいであろう。

さらに、それに携わる従業員の労働環境も今は気にしなくてはならない。

結局のところ、インフラの意思決定には、非常に複雑な利害関係の調整が必要となっていることが予想できるのである。

そう考えると、防災に関するインフラの備え、即ち予防保全的な体制としては、間違いなく過去より現在の方が絶対値的に改善していると思う。

しかし、マスコミや大衆は相変わらず、停めたら「なぜ停めた」、停めなくて事故を起こしたら「なぜ停めなかったのか」と、後出しシステムだけはアップデートさせず旧態然のまま維持しているので、これに関わる関係者のご苦労は察して余りある。

ながながと書いたが、私も出張が多いので新幹線の運休などは良く経験し、毎回苦労している。新幹線車内での一泊も経験したりもした。なおかつ閉所恐怖症なので長時間の停止はかなりのストレスなのである。

東海道新幹線の静岡付近は、河川増水の水位上昇影響を受けやすい。瞬間的な雨風だけでなく、タイムラグのある河川水位上昇もあるので、運休が長期化し混乱を招くことが多い。

まあ、今に始まったことではないので毎回騒ぐのも本当はおかしいのだが、こちらも平時の業務では「なんか天気が悪いので出張やめます」なんて簡単に言えない雰囲気もある。

結局出張先で天候と運行状況を見ながら高度な(?)判断をする必要があるのである。

そんなこんなで23年6月2日のこと。

台風2号の影響で東海道新幹線が運休した。この時私は関西出張中で、その日は金曜日だったため夕方帰宅する予定で新幹線のチケットを確保していた。既に天候悪化と運休の前振り情報は流れており、予定を早めてさっさと帰京しようと午後すぐに京都駅へ向かう。そして、まだ平常運行に見える東京行きののぞみに乗った。

ここまでは良かった。

しかし14時すぎ。名古屋で停止である。

このパターンはまずい。

停止の挙句に、静岡を越えられないパターンである。

ただ、今回はツキがあったのか、名古屋駅ホームで停止した。ドアも開いており出入り自由の状態であった。結果、閉じ込められているわけではないので気分的には安心しつつ、30分ほど待ってみる。

しかし動かず。

ここはまさに判断のしどころで、おそらく今日中の復旧はないはずと早めに見切って、急遽名古屋駅での宿泊に予定を変更。ネットで駅近くのホテルをなんとか予約成功である。そして新幹線を名古屋駅で途中下車し、雨の中チェックイン。これでなんとか本日の宿は確保できた。その後予想通り状況は悪化し、新幹線は結局運転打ち切りとなり、帰宅難民が溢れる状況となった。今回のケースでは、運良くそのカオスな状況からは回避できたことになる。屋根のある場所で夜を越せれば一安心である。

まだ天気はさほど崩れてはいない。

こうなると後は酒飲んで寝るだけなので、名古屋駅周辺の立ち飲みを探索。

この「立陣(たつじん)」へ入店。開店直後なのか、余り人はいなかった。クネクネとしたカウンターとその内側に厨房があり、串カツやおでん鍋などがある。

 カウンターの内側には怖そうな大将と、優しそうな女将さんが。

まずはハイボール380円をグビリと。メインは串カツの店のようで、お通しはキャベツである。

 まずは早めに、どて焼き(1本150円)を。

 続いて串カツ。イカとキスを頼む。

 豚肉とスパイシーコロッケ。コロッケはサイズも手頃で食べやすい。

SNSでは刻一刻と状況が悪くなる。

だんだん多くの人間が帰宅を諦め出し、宿泊先を奪い合うような状況にもなっている。こちらは既に宿も確保できたので、立ち飲み屋で、その状況をSNSで眺めつつ、安心した?時間を過ごすのであった。

 参考:翌日の名古屋駅も昼まで運行中止だったので、カオスな状態だった。

10時頃にはこんなサラリーマンも。やはり屋根のあるところで寝たいよね。

一歩間違うと私もこの運命の可能性もあった。早期の判断は重要なのである。

その後も色々なテクを駆使して、何とか土曜日には帰宅できた。疲れた。

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