【書評】筒井康隆「川のほとり」(新潮2021年2月号)–生き残ってしまった老父・筒井の哀しみが伝わる感動作

 一部で話題となった筒井康隆の小説「川のほとり」(新潮2021年2月号掲載)を読んだ。  筒井の「腹立半分日記」などでも頻繁に登場していた一人息子である「伸輔」–筒井伸輔が食道癌で51歳の若さで亡くなったこと 続きを読む…

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【書評】平井和正「超革命的中学生集団」50年前のSFスラップスティック小説で、楽屋落ちやギャグ連発でも古びてない凄さ

 先日行きつけの古本屋で見つけた、平井和正「超革命的中学生集団」(角川文庫)を105円で入手。カバーはなかった。前から読みたいと思っていた作品である。  初出は1970年。もはや50年前の作品。そして内容は、ジュブナイル 続きを読む…

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【書評】山田正紀「チョウたちの時間」–文学的・哲学的・科学的に重厚なテーマ《時間》を語りつくす、SFの力強さを感じる傑作!

  山田正紀「チョウたちの時間」を読んだ。 初出は1979年。これは角川文庫の1980年の初版。装頓は横尾和則である。  山田正紀のSFの真骨頂であり、「時間」という重厚なテーマに対して、”表現できないものを表 続きを読む…

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【書評】菊池秀行「吸血鬼(バンパイア)ハンター”D”」–激烈に面白い超エンターテイメント!

 菊池秀行「吸血鬼(バンパイア)ハンター”D”」(ソノラマ文庫)を読んだ。  本当に今更ながらであるが、初読である。  1983年出版の作品で、菊池はこの作品を執筆当時33歳。  いわゆるSF伝奇的な作品で、 続きを読む…

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【書評】平井和正「狼よ、故郷を見よ」–”狼男”の失われた”母”をめぐる傑作

 平井和正「狼よ、故郷を見よ」(ハヤカワ文庫)を読んだ。表紙や挿画は、生頼範義であり、なかなかの雰囲気である。  本書には「地底の狼男」および「狼よ、故郷を見よ」の中編2編が収められ、いわゆるアダルト・ウルフガイ、30歳 続きを読む…

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【書評】矢野徹「カムイの剣」–日本SF第一世代による幕末を舞台にしたSF大冒険活劇

 矢野徹「カムイの剣」(角川文庫)を読んだ。いわゆる旧版の1巻本で、1975年発行の初版本である。  アイヌと和人の間に生まれた主人公が、自身、そしてその親をめぐる大いなる謎を解くべく、東北、北海道、オホーツク、ベーリン 続きを読む…

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【書評】田中光二「異星の人」人類の「発展の限界」を描く、叙情性に貫かれたSF

 田中光二「異星の人」(ハヤカワ文庫)を読んだ。昭和52年発行のハヤカワ文庫の初版である(どうでもいい情報)。  SF第二世代にあたる著者であるが、読んだのは初めてである。  表題通り、いわゆる異星人の視点で人類の”種と 続きを読む…

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【書評】ジョーン・ロビンソン「思い出のマーニー」(岩波少年文庫)–自らの中にある<過去>との対話による救済とは

  先日ジブリ映画を地上波放映していたのか、周囲で「思い出のマーニーが良かった。泣けた」という声を聞いた。さいきん精神的な疲労なのか、長めの動画を見るのが億劫になっている。特に序盤がきつい。小説だって似たようなものだと思 続きを読む…

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【書評】アイザック・アシモフ「ファウンデーション」–文明の歴史そのものを対象としたSF叙事詩の第1作

 アイザック・アシモフ「ファウンデーション」を読んだ。1942年から継続発表された「銀河帝国興亡史」シリーズの第1作である。  遠い未来。人類は宇宙の広域に進出し、巨大な科学文明を築き、「一千兆の人間」を抱え「一万二千年 続きを読む…

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【書評】アイザック・アシモフ「はだかの太陽」前作に続くSFミステリの傑作!開放空間恐怖症からの解放とは

 アイザック・アシモフ「はだかの太陽」を読んだ。  SFとミステリを見事に融合させた古典的名作「鋼鉄都市」の続編となっている。関連記事:【書評】アイザック・アシモフ「鋼鉄都市」–SFの王道でありつつ、実は「青春熱血小説」 続きを読む…

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