【書評】菊池秀行「吸血鬼(バンパイア)ハンター”D”」–激烈に面白い超エンターテイメント!

 菊池秀行「吸血鬼(バンパイア)ハンター”D”」(ソノラマ文庫)を読んだ。  本当に今更ながらであるが、初読である。  1983年出版の作品で、菊池はこの作品を執筆当時33歳。  いわゆるSF伝奇的な作品で、 続きを読む…

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【書評】平井和正「狼よ、故郷を見よ」–”狼男”の失われた”母”をめぐる傑作

 平井和正「狼よ、故郷を見よ」(ハヤカワ文庫)を読んだ。表紙や挿画は、生頼範義であり、なかなかの雰囲気である。  本書には「地底の狼男」および「狼よ、故郷を見よ」の中編2編が収められ、いわゆるアダルト・ウルフガイ、30歳 続きを読む…

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【書評】矢野徹「カムイの剣」–日本SF第一世代による幕末を舞台にしたSF大冒険活劇

 矢野徹「カムイの剣」(角川文庫)を読んだ。いわゆる旧版の1巻本で、1975年発行の初版本である。  アイヌと和人の間に生まれた主人公が、自身、そしてその親をめぐる大いなる謎を解くべく、東北、北海道、オホーツク、ベーリン 続きを読む…

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【書評】田中光二「異星の人」人類の「発展の限界」を描く、叙情性に貫かれたSF

 田中光二「異星の人」(ハヤカワ文庫)を読んだ。昭和52年発行のハヤカワ文庫の初版である(どうでもいい情報)。  SF第二世代にあたる著者であるが、読んだのは初めてである。  表題通り、いわゆる異星人の視点で人類の”種と 続きを読む…

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【書評】ジョーン・ロビンソン「思い出のマーニー」(岩波少年文庫)–自らの中にある<過去>との対話による救済とは

  先日ジブリ映画を地上波放映していたのか、周囲で「思い出のマーニーが良かった。泣けた」という声を聞いた。さいきん精神的な疲労なのか、長めの動画を見るのが億劫になっている。特に序盤がきつい。小説だって似たようなものだと思 続きを読む…

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【書評】アイザック・アシモフ「ファウンデーション」–文明の歴史そのものを対象としたSF叙事詩の第1作

 アイザック・アシモフ「ファウンデーション」を読んだ。1942年から継続発表された「銀河帝国興亡史」シリーズの第1作である。  遠い未来。人類は宇宙の広域に進出し、巨大な科学文明を築き、「一千兆の人間」を抱え「一万二千年 続きを読む…

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【書評】アイザック・アシモフ「はだかの太陽」前作に続くSFミステリの傑作!開放空間恐怖症からの解放とは

 アイザック・アシモフ「はだかの太陽」を読んだ。  SFとミステリを見事に融合させた古典的名作「鋼鉄都市」の続編となっている。関連記事:【書評】アイザック・アシモフ「鋼鉄都市」–SFの王道でありつつ、実は「青春熱血小説」 続きを読む…

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【書評】アイザック・アシモフ「鋼鉄都市」–SFの王道でありつつ、実は「青春熱血小説」としても読める構造

 ロボットものの古典的SFミステリである、アイザック・アシモフ「鋼鉄都市」を読んだ。  地球は人口爆発して、テクノロジーによる管理された文明を築いていた。 表題の”鋼鉄都市” (The Caves of St 続きを読む…

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【書評】小松左京「氷の下の暗い顔」SFが持つ叙情性–”大いなる別れ”を描いた作品群

 前回記事の「結晶星団」と同じく実家の本棚から発掘してきた小松SF作品。角川文庫版で、1982年発行。  角川文庫版小松左京作品の装丁は、生頼範義(おおらいのりよし)によるものが多かった。特に「復活の日」の表紙は、すごく 続きを読む…

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【書評】スタニスワフ・レム「砂漠の惑星」–ファースト・コンタクトにおいて人間側の都合の良いように世界を解釈することの本質的な無意味さについて

 ハードSFの古典、スタニスワフ・レム「砂漠の惑星」(ハヤカワ文庫)を読んだ。  やはりレムは良い。SFが持つ独特の発想、すなわち、我々が持っている常識的価値体系を破壊し、その上位概念に向けたイメージを想起させてくれる小 続きを読む…

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