マンガ, 読書メモ

【書評】ラズウェル細木『酒のほそ道』55巻ー四角関係となった恋愛模様で小篠くんのアタック


ラズウェル細木『酒のほそ道』55巻を読んだ。

今回は、この1巻に最近の恋愛模様パターンを詰め込んだ”コスパの良い”一冊になっている。

もはやお約束的になっている古典的パターンである、ウンチク課長の岩間と松島さんへの仲人願望(今回は二人の子供まで想像させるデリカシーなさもある)や、本命ラインである岩間とかすみちゃんの関係性(しかし全く距離は縮めない)などもある中で、最近投入された若手の小篠くんによる松島さんへのアタックが今回のメインになっている。

まあ、新入社員の男子にとって先輩女子社員への憧れはないことはない(?)。

しかしこの手の日常での関係性が入り組んでいる場合、なかなかその日常で恋愛まで進めるのは難しそうだ。つまり、みんなが周知の中で恋愛まで進めるのはリアルな世界ではちょい厳しいように思える。

しかしこの世界は酒飲み少女マンガなので、居酒屋で全ての物事が展開される。

今回、小篠くんはついに松島さんに(みんなのいる居酒屋で)下心丸出しでサシ飲みを求める。

作者考案の斬新な意匠性の高い瞳表現である。

ハートの花弁に彩られ、焦点深度の深い黒目にサイコ的な一途さまで見通せて、非常に怖い。

松島さんの回答はここでは控えるが、さすが酒飲みマンガにおける「もう、毎号クライマックス」だけあって、まだまだこのストーリーの帰着点は見えないのである。

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作成者: tankidesurvival

・男性 ・アラフィフ ・技術コンサルタント ・日本国内の出張が多い ・転職を経験している ・中島みゆきが好き ・古本屋が好き