谷川ニコ『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』27巻を読んだ。前巻に引き続き、3年の最後の文化祭、2日目をたっぷりと描く。学生にとって、文化祭はまさしく”ハレ”の場なので、やはりそれぞれのキャラの変態性が十分に発揮できる。

文化祭の参加者としての役割や、訪問者としての役割として過去のキャラも登場させやすいので、とにかくオールスター状態であった。そんな中でも、最近続く黒木弟と「馬力のある純粋なバカ=与田さん」のエピソードや、こちらも屈折したリア充である根元さんによる声優志向の自己表現の末路、などエピソードには事欠かない。
正直なところ文化祭ではなく、変態女子高生祭りではないかと思うようなエピソード満載で、日常の世界に戻ってくれるのか、といった不安もある。ただし、伏線ぽい内容もありヤンキー吉田さんの”やりたいこと”や、大学生以降の各自の日常への前日談ぽい内容もあり、残りの高校生生活はどうなるのか、興味がもたれる。

ただ、そんな中でも安定の横綱相撲を見せたのが小宮山さんで、妄想の何重もの屈折ぶりが既に”プロ”の領域に入っている(男装して、甲子園で、さらに敗戦・・・)のはただただ凄いの一言。次元が違うというか。