「サキ傑作選」(ハルキ文庫)を読んだ。以前、岩波文庫の「サキ傑作集」は読んでいたが、あまりダブりはなく、相変わらずの切れ味鋭いブラックな短編小説群であった。 本書は230ページで25編が収められている。岩波文庫では2 …
カテゴリー: 読書メモ
【書評】ラズウェル細木『酒のほそ道』44巻 松島さんと岩間の関係性と情報量制限
先日発売のラズウェル細木『酒のほそ道』44巻を読んだ。 この所のストーリーラインの複雑化で、どうなることかと思いながらも読み進む。 物語の時間も少しづつ流れ、エビちゃんと諏訪さんは結婚式を挙げ、諏訪さんは退職した模 …
【書評】ヴァン・ヴォークト「終点:大宇宙!」-溢れ出る過剰なまでの物語性
行きつけの古本屋に創元推理文庫のヴァン・ヴォークト作品が並んでおり、未読のものをいくつか入手することができた。100円均一であったが、その中でもちょっと高めの値段(といっても420円であるが)がついていたヴァン・ヴォー …
【書評】仁木悦子「猫は知っていた」ー”おかめどんぐり”な主人公による爽やかな謎解き
仁木悦子「猫は知っていた」を読んだ。 1957年に出版された江戸川乱歩賞の受賞作品である。 時代背景は古く、解説にもあるように出てくるガジェットは今のものではない。しかしながら、プロット自体は全く古びてはおらず、謎 …
【書評】カート・ヴォネガット「スローターハウス5」ドレスデン爆撃の経験と精神の受動性
カート・ヴォネガット「スローターハウス5」(ハヤカワ文庫)を読んだ。 この小説の構造としては、常識的な世界解釈とSF的な世界解釈の2通りで読解できる。 そのどちらが正しいかは未確定である。 常識的解釈では、眼科医 …
【書評】オーウェル「1984年」と連合赤軍における”粛清”の現実
ディストピア小説の古典的傑作ジョージ・オーウェル「1984年」(新庄哲夫訳)を読んだ。 出版は1949年であり、科学技術の継続的発展を前提とした比較的明るい未来を描いた(誤解を恐れずに言うと、楽観的な)SF小説と異な …
【書評】メルヴィル「幽霊船」「バートルビー」は現代性に溢れる上質なホラーと不条理で、普通に面白い
先日読んだメルヴィル「白鯨」の重厚長大さに、いささか食あたり気味になっていたところで、続きとばかりに同じ作者の「幽霊船 他1編」(岩波文庫)を読んでみた。 関連記事: 【書評】メルヴィル「白鯨」とモーム「世界の十大小 …
【書評】メルヴィル「白鯨」とモーム「世界の十大小説」の関係
「バーナード嬢曰く。」2巻で、その長大さに対して、何故かヘミングウェイにとばっちりの怒りがぶつけられている、メルヴィル「白鯨」(岩波文庫版)の阿部知二訳を読んだ。 学生時代にも読んだような記憶があるが、今回の再読で内 …
【書評】J・P・ホーガン「星を継ぐもの」ー仮説形成そのものが小説となっているハードSF
もはやハードSFの古典であり、誰もが認める傑作、J・P・ホーガン「星を継ぐもの」(創元推理文庫)である。 先日再読したが、やはりエキサイティングで面白い。 小説としては、ひとつの「謎」に注目して、それを科学的な視点 …
【書評】ロバート・シェクリー「ロボット文明」ー対称性を持った奇妙なSF小説
ロバート・シェクリー「ロボット文明」(創元推理文庫)を読んだ。原著は1960年出版で、文庫の初版は1965年。この本自体は1970年の第10版である。そして装丁は「武器製造業者」と同様、司修である。 読了後に、どうも …