先日思い立って奥多摩町にある「日原鍾乳洞」へ車で行ってみた。自宅のある「東京」内の移動なのだが、道は狭いし遠いし山道だしで、偉い辺境感があった。 奥多摩駅から日原方向に向かう都道204号(日原鍾乳洞線)は、山道で狭く …
カテゴリー: 歴史
【書評】秦郁彦「昭和天皇五つの決断」–天皇制のもつ二重性とその対立について
秦郁彦「昭和天皇五つの決断」(文春文庫)を読んだ。 大日本帝国憲法と日本国憲法、皇国史観と民主主義、2つの大きな時代とその転換点を、その中心として活動した昭和天皇の「決断」についての論考である。 大日本帝国憲法では …
町田市立自由民権資料館「町田の民権家たち」を見て、明治初期の日本人の、同調圧力に負けないエネルギーに感服する
マイナーな(失礼)地元の資料館「町田市立自由民権資料館」の企画展「町田の民権家たち」展示を見てきた。 入場無料で、あまり期待はしていなかったが、なかなか面白い展示であった。 三多摩地区出身でもあり、小学校の授業など …
【書評】池田晧「漂民の記録 極限下の人間ドラマ」鎖国体制での過酷な漂流のエピソード
池田晧「漂民の記録 極限下の人間ドラマ」(講談社現代新書)を読んだ。1969年出版であり、現在の講談社現代新書とは装丁がかなり異なっている。カバーもない。また現在はついていない「スピン」(栞紐)がついている。 サバイ …
【書評】土門周平ほか「本土決戦 幻の防衛作戦と米軍侵攻計画」–最終防衛としての総力戦による水際作戦
土門周平ほか「本土決戦 幻の防衛作戦と米軍侵攻計画」(光人社NF文庫)を読んだ。 昭和20年4月に沖縄に上陸を許し、太平洋戦争の敗戦が濃厚になってきた段階に、米軍が本州、九州に直接上陸することを想定した防衛作戦「決号 …
【書評】福田恆存「人間・この劇的なるもの」進歩主義の欺瞞を暴いた”奴隷の思想”の瑕疵と、<部分の中にある全体>概念導入による修正
はじめに 福田恆存「人間・この劇的なるもの」(中公文庫版)を読んだ。1956年、戦後11年経た頃に発表された論争的な書である。 当時の世相状況は、第二次世界大戦敗北後のサンフランシスコ講和条約が成立(1952年)した …
シベリア抑留と強制労働
はじめに 1945年から1956年までの約11年にわたって行われた、ソ連による日本陸軍の捕虜約50万人に及ぶ強制労働、いわゆる「シベリア抑留」を整理した(第1章)。 続いて、いくつかの論点を提示する。 極寒のシベリ …
房総半島をドライブ③:チバニアンで有名になりつつある「地球磁場逆転地層」を見てきた【駐車場からの順路あり】
先日のニュースで、地質時代の一時期、ネアンデルタール人が生きていた「第四紀更新世」の中期に当たる時期が「チバ二アン=千葉時代」と命名されるニュースがあった。 参考記事(産経ニュース) 地球史に「千葉時代」誕生へ 日本初の …
【書評】東野治之『木簡が語る日本の古代』ー古代の乳製品”蘇”(そ)とは牛乳の湯葉ではないのではないか(追記あり)
東野治之『木簡が語る日本の古代』(岩波新書)を読んでいて、日本の奈良時代に既に”牛乳及びその加工製品”があったことを知って、興味深く思った。 牛乳自体は6世紀半ばに日本に渡来してきたようだ。 その中で、蘇(そ)と呼 …