大井町といえば「肉のまえかわ」や「晩杯屋」がある「東小路飲食店街」が有名であるが、駅を中心としたその点対称位置にも少し飲み屋地帯がある。
言い換えると、 北を上にした状態で、大井町駅を中心としてXY座標軸を書いたとき、第1象限が東小路飲食店街で、第3象限にも飲み屋街がある。…余計わかりにくいか。
伏見玉光稲荷神社の道を挟んで向かいに、昔ながらの小さい飲み屋の密集地帯がある。周りは再開発されて高層マンションが立ち並ぶなか、生き残ってきたかのようなレトロな飲み屋街である。
そんな中でひときわ派手なデコをしている立ち飲み「いいかげん」に入店。店は狭い。六畳一間をL字カウンターで区切り、外堀を客、内堀を厨房としており、8人入ったら窮屈という狭さである。
そんな状況なので、入るのも店内の空き確認が必要になる。また常連さんも多目なので、タイミングが重要である。
今回は第一陣がはけて、既存客2名のところへ入店である。「いらっしゃ〜い」という明るい声でフィリピン人の美人ママが笑顔で挨拶してくれる。
初めての入店だということが分かると、常連さんがいろいろと親切に教えてくれる。
キンミヤボトルのホッピーセット800円。客席側にある冷蔵庫からのセルフで取り出す。常連さんがアシストしてくれた。ありがたい。
さてツマミは…とメニューを見回す。するとママが「いまオススメあるよ!シチュー食べる?」と尋ねてきた。事前情報通りである。ツマミメニューはあまり意味がなく、その日の気分で出るものが違うようなのである。これが店名の由来のひとつでもあるらしい。
シチューが到着。本格的かつ、美味そう。実際美味かった。
ママはフレンドリーで「これからどこに帰るの?」「仕事終わり?」と話しかけてくれる。しかし人見知りで1人飲み志向の私からするときついが、さすが接客のプロ、空気を読んでくれて、放置してくれるようになった。常連さんとママの会話をBGMに1人飲みである。店内もお客の雰囲気も、カラッとした南国情緒と明るさがある。
ホッピー外をお代わりし。キンミヤを飲みきる。満足であった。
店を出ると20時過ぎだが、飲み屋地帯の電気はあまりついてない。やはり再開発か何かで少しずつ衰退しているのであろうか。レトロな街並みが無くなるのも少し寂しい。
路地のような狭い小道の両サイドに小さな飲み屋が立ち並ぶ。その向こうには、大型マンションが。