前回記事(葡萄を潰して自然放置してみただけで発酵して、”1%未満の何か”になってしまった)にて、ブドウを潰して自然放置した結果として、自然酵母の力によって化学反応が不可抗力的に進行し、甘くない液体に変化が起こったことを報告してみた。
そうなると、他の果実でも同様の現象が起こるのか。いわゆる次なる科学的探究心が芽生えるのである(明らかに不審な目つきをしながら)。
そこでスーパーで売っていたキウイ「ゼスプリサンゴールド」を12個ほど購入。結構熟しており、この段階では誰も買わず売れ残り気味だったキウイであったが、今回の用途にはあまり関係がない。むしろ好都合かもしれない。もったいない運動への寄与もあるのかな?(意地悪そうな目つきで)。
さすがにブドウとは異なり、皮は剥くことにした。そしてボウルで潰して放置してみた。ちなみに今回も何も追加はなしである。
ボウルに入れた段階のキウイ。じゃがいものようにも見える。
それを手でワシワシ&ブチブチと潰していく。
ブドウに比べて非常に潰しやすい。
そして潰したものをブドウと同様の100均の1.5L広口ビンへ移す。ブドウの時と比べて皮を事前に除去しているので移しやすい。
放置後1日。なぜか(?)泡が出る。不思議だ。何故なんだろう。心配だ(平坦なイントネーションで)。泡は、ブドウと比較して細かい感じである。まあ、腐敗したのならそれはそれで仕方ないよね(自己責任)。
さらに時間が進むと、ブドウの場合と同様に、果肉部分が上に、液体部分が下へと分離(粕帽)が起こった。
そして泡が発生してから4日で、何かを1%以下にするためにビンへ移し、冷蔵庫へ。
こんな感じであるが、この段階でも濁り酒と呼べないくらい果肉がめちゃくちゃ入ってしまっているのである。これはブドウの時とは異なる状況で、キウイの場合、いわゆる澱と果肉と液体の分離がしにくいのだ。これがキウイの場合の欠点であることがわかった。
要するに液体としての収率が悪いのである。
結果的に再度のザルによる圧搾工程(といっても手で潰すだけだが)を経た結果、最終的に純粋な液体として採取できたのは300mL程度。これはブドウに比べて非常に悪い。量的には半分以下である。
そう考えるとブドウという果実がそれ自体の性質として持つ、人間への寄与度は大きく、まさに「ワインになるために生まれてきた」ようなものともいえるのである。おっと、ワインなどという本記事の趣旨と異なる文脈が出てきてしまった。
それはさておき、キウイの液体を試飲。
・・・うまい。旨さだけだとブドウを超える。微妙な酸味と切れ味。そして、後から襲ってくる”いい気分”。
ただし、この収率の悪さがやはり難点である。圧搾工程で、布で絞るなどの工程を入れないとこれは苦しいと予想するのである(職業病)。
追記:今度はグリーンキウイで試してみた。結局、発酵が終わった「澱」を保存しておき、これを次の発酵に使用することで発酵時間が稼げる。
収率の問題はあるがキウイは意外と発酵しやすいことがわかってきた。