岡野弘彦「折口信夫の晩年」(中公文庫)を読んだ。 民俗学者・国文学者・歌人の折口信夫と晩年に同居し、その最期を看取った岡野弘彦による本書は、折口信夫という巨大な学者の、常識の枠を大きく逸脱した晩年のエピソードが満載で …
投稿者: tankidesurvival
【書評】楠木新「左遷論 組織の論理、個人の心理」–”個人的な経験”となる「左遷」に対する体系的な良書
楠木新「左遷論 組織の論理、個人の心理」(中公新書)を読んだ。 生命保険会社を定年まで勤め上げ、MBAも取得している著者によって書かれた本書は、「左遷」という概念を真正面から取り扱っている良書である。 本書で言及さ …
【書評】菊池秀行「吸血鬼(バンパイア)ハンター”D”」–激烈に面白い超エンターテイメント!
菊池秀行「吸血鬼(バンパイア)ハンター”D”」(ソノラマ文庫)を読んだ。 本当に今更ながらであるが、初読である。 1983年出版の作品で、菊池はこの作品を執筆当時33歳。 いわゆるSF伝奇的な作品で、 …
【書評】平井和正「狼よ、故郷を見よ」–”狼男”の失われた”母”をめぐる傑作
平井和正「狼よ、故郷を見よ」(ハヤカワ文庫)を読んだ。表紙や挿画は、生頼範義であり、なかなかの雰囲気である。 本書には「地底の狼男」および「狼よ、故郷を見よ」の中編2編が収められ、いわゆるアダルト・ウルフガイ、30歳 …
【書評】矢野徹「カムイの剣」–日本SF第一世代による幕末を舞台にしたSF大冒険活劇
矢野徹「カムイの剣」(角川文庫)を読んだ。いわゆる旧版の1巻本で、1975年発行の初版本である。 アイヌと和人の間に生まれた主人公が、自身、そしてその親をめぐる大いなる謎を解くべく、東北、北海道、オホーツク、ベーリン …
【書評】山田正紀「恍惚病棟」信じていた世界が、ある瞬間にグラリと転回する、本格ミステリ
山田正紀「恍惚病棟」(ハルキ文庫)を読んだ。 山田正紀は、デビュー作「神狩り」以降、極めて高度な娯楽性を持った作品を描き続けている。本作も認知症患者(老人)のいる病院を舞台に、本格ミステリのもつ大トリックが仕込まれた …
【書評】田中光二「異星の人」人類の「発展の限界」を描く、叙情性に貫かれたSF
田中光二「異星の人」(ハヤカワ文庫)を読んだ。昭和52年発行のハヤカワ文庫の初版である(どうでもいい情報)。 SF第二世代にあたる著者であるが、読んだのは初めてである。 表題通り、いわゆる異星人の視点で人類の”種と …
【書評】谷川ニコ「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」18巻–小宮山さんがサウナで合法トリップを覚えてガンギマリ顔
谷川ニコ「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」18巻を読んだ。 大学受験を控えた予備校の夏合宿がメイン。キャラ総登場である。本巻は、下の毛を銀に脱色とか、温泉風呂でセクハラとか、下ネタが多い。 繰り返しにな …
毎年夏季長期休業するラーメン屋のシャッター張り紙大喜利。今年の回答は……
昨年も紹介(最近の夏の風物詩:昨年は暑さに負けたラーメン屋の今年)したが、毎年夏になると長期休暇を取るラーメン屋がある。 2018年は”猛暑で暑さに負けたため”、昨年2019年は”熱中症対策”などの理由がシャッターに …
夏の家庭菜園で収穫されるキュウリとナスを大量消費–三五八漬けにして、更に軽く一手間加えたレシピ:山形郷土料理の「だし+三五八」、食べるラー油で「無限キュウリ+三五八」
夏になり、ささやかな家庭菜園でも定番のナスとキュウリが、そこそこ大量に収穫できるようになってきた。あまり手間もかけていないので、キュウリは結構なジャンボサイズになる。 この消費として、やはり三五八漬けが役に立っている …