【お笑い芸人】ポンコツ風ロジカル芸人・”(元)なかよしビクトリーズ”岡田の巨大な受容力にジワジワきている【岡田を追え‼︎】


 フワちゃんはすっかり完全ブレイクである。

 しかも、最近の息の長い芸人特有の、”ハチャメチャに見えるが実は真面目”、あるいは、”無礼に見えるが実は礼儀正しい”という、「裏面はいい人系エピソード」も同時併走しつつ売れており、結構この地位はしばらく盤石な気がする。

 そのフワちゃん周辺から、目に止まってきた漫才コンビ「なかよしビクトリーズ」(2020年10月に解散)のツッコミ担当・岡田康太(岡ちゃん)のYouTube動画がなかなか面白い。

 フワちゃん動画では、先輩なのに髪の毛をドッキリで切られたり、一番先輩なのに勝手に自宅に侵入されたり(宿泊されたり、トランポリンを放置されたり)、先輩なのにフワちゃんイベントの最後で募金箱の代わりに立たされいい感じの物乞いコスプレさせられたりと、完全に弄ばれている。

 岡ちゃんの動画(YouTubeチャンネル「岡田を追え‼︎」)で面白かった動画は、下記の「あべこべ忘年会」。一番先輩にもかかわらず、ひたすら奴隷以下のような扱いを受けている。でも、何か不快感は一切なく、単純に面白い。

 また別のフォーマットでは、3時のヒロイン・福田さんに、とんでもない一方的なビジネスを持ちかけ、ボロクソに罵られ断られ続けるというシリーズもある。

 これもドSの福田さんの下品かつ強烈ツッコミをガッツリ受け止め、ドM系なキャラだがひたすらめげず失礼という、かつての「ガキ使」の傑作・”ヘイポーの謝罪文”シリーズを想起させる。

 実際、見てくれも”シンバルを叩くお猿のおもちゃ”のような感じで、弱弱しく、スベリ系・弄ばれる系に見える。ダチョウ倶楽部・上島、出川哲朗のようなポンコツ系の雰囲気を漂わせる。

 しかし、実際には芸人コンビ”なかよしビクトリーズ”としてはツッコミ、そして福田さんとの以下の動画であるように、意外に内面はロジカルなのである。見た目と違ってお笑い偏差値は高め。ちなみに、ドSの福田さんとの相性も良い。

 岡ちゃんは現在30歳であるが、高校生の時点でM-1甲子園にも出場(地区大会3年連続優勝)しており、デビューは早い。

 芸歴は意外に長く、2009年頃、更に10代後半で次世代枠として地上波T V出演(「1ばんスクラム‼︎」「ふくらむスクラム‼︎」)もあったようで、かつてはプチブレイクをしていた。

 今回、入手したDVDでは人気絶頂の前田敦子の隣でセンターポジションである。

 フジテレビの”8年周期”芸人売出しフォーマットからすると、「めちゃイケ」→「はねトび」と続く王道バラエティ路線の番組センターに位置し、キャラ的にもポスト・岡村の大本命ポジションにもいたはずなのである。

(DVDパッケージにも明らかなポスト「めちゃイケ」「はねトび」が明確化されている)

 しかし、結果的にフェードアウトしてしまう。

 そして周りだけが売れていく状況、更に、相方・下村が腎臓の難病に罹患するという苦労のある状況の中でも、こうして少しずつ存在感を世間に見せてきている。

 交友範囲も広い。

 フワちゃん、かが屋・加賀、トンツカタン・森本、3時のヒロイン・福田、四千頭身・後藤、果てはラッパーchelmico・Mamico、ワタリ119、ZAZY(抱かれそうになっている)という錚々たるエッジの効いた面々(一部違うかな)。

 要するに、自分以外がめちゃくちゃ売れているという、小松左京「日本沈没」に対する筒井康隆「日本以外全部沈没」のような、恐ろしい状態、あるいは情報ハブが一番底辺という、異常な状態ともいえるのだ。

 ただ、これは良い意味で解釈すると、岡ちゃんの”受容力のキャパ”が巨大ということなのであろう。

 YouTubeチャンネル「岡田を追え‼︎」(ちなみにこの‼︎は、「めちゃイケ」になれなかったかつての次世代番組「1ばんスクラム‼︎」「ふくらむスクラム‼︎」のそれと同じである)でも、食に関する緩いトークも面白い。食に対する敏感度、こだわりもあり、知識もある。売れる条件である、コンテンツとしての多様性も十分である。

 なお「岡田を追え‼︎」は主に岡ちゃんの住む港区で家賃37,000円の激安部屋で撮影されることが多い。その周辺部分の補足テキストとしては、以下がある。(ひとり暮らし男子のお部屋拝見!Vol.5 表参道で暮らす「港区男子」の部屋が想像を超えて“東京のオアシス”だった)。

 総合的な印象として、コンビのチャンネル「なかよしビクトリーズ」での相方・下村への見舞いの動画もそうだが、ボケの方が合っているような気もする(ということを書いていて、なかよしビクトリーズのYouTubeを見てたら、2019年のNHK番組「笑けずり」あたりでボケ(下村)・ツッコミ(岡田)への切替をしていた模様←そうなんだ〜)。

 そして本業の漫才は意外に正統派であって、この立ち位置が少々微妙ではある。

 この相方・下村への見舞いの動画であるが、岡ちゃんのくだらないボケ倒したあとの、ラストのメッセージはなかなか泣かせる。

 そろそろブレイクしそうな雰囲気が漂うのである。

 2020年10月追記:GERAのネットラジオ「なかよしビクトリーズのオレンジサンセット」#25の「大事なお知らせ」、相方下村のTwitter、岡田を追え‼︎の生配信によると、コンビ解散するらしい。

 コンビ解散は色々あるだろうで我々には伺いしれないが、岡ちゃんの主張である「今年のM-1とR-1の1回戦敗退」という事実は確かに考えるものがありそうではある。

 「ナイツ塙の上石神井ラジオ#1」で、ナイツ塙が弟子の漫才コンビが今年のM-1の1回戦落ちという事実に対して「恥を知れ、恥を知れよ、恥ずかしいわ」(17:39からのくだり)と半分マジで説教していたことも考え合わせると、当事者にとって、やはり大きな意味を持つのであろう。

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