今回の山形県ドライブは約20年ぶりであった。社会人になりたての頃に、中古の車を7万円で譲ってもらい夏休みに一人旅(車中泊)をした地の一つが山形県であった。 私は小説家・森敦が好きで特に「月山」の小説世界が好きである。 …
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【書評】ラズウェル細木『酒のほそ道』42巻 エビちゃんと諏訪さんの結婚報告と知識ロンダリングの表現
酒マンガ「酒のほそ道」の42巻を今更ながら購入。発売日は2018年1月1日初版であり、先日amazonを見たら43巻が6月に発売することを知ったので、43巻の注文と合わせ42巻も注文した。 関連記事:【書評】ラズウェ …
【書評】アンディ・ウィアー「火星の人」サバイバルに特化した非シリアス小説
映画「オデッセイ」の原作となり、話題のSFサバイバル小説であるアンディ・ウィアー「火星の人」(早川SF文庫)を読んだ。 古くはジョン・W・キャンベル「月は地獄だ!」チャールズ・E・メイン「大真空」など、地球外天体と …
【書評】谷川雁という捉えにくく矛盾を孕んだ存在–「連帯を求めて孤立を恐れず」には”原典が存在する”
全共闘のスローガン「連帯を求めて孤立を恐れず」の出典 今この時代で、ほとんど忘れられている存在となっている谷川雁のことが気になっている。 先日読んだ、松本輝夫「谷川雁 永久工作者の言霊」(平凡社新書)は、複雑で捉えに …
【書評】萩本欽一「ダメなときほど運はたまる」 世界のもう一つの原理を見て還ってきた人が”運”の実在性を本気で語る奇書
注意:若干のオカルト記載があります。 萩本欽一「ダメなときほど運はたまる」(廣済堂新書)を読んだ。本の装丁からして、一見ものわかりの良い本に見えるが、これに先立つ萩本欽一、斎藤明美「まだ運はあるか」(大和書房)も含め …
【書評】結城昌治「ゴメスの名はゴメス」(光文社文庫 結城昌治コレクション)戦争の体験がリアルな時代のスパイ小説の傑作
前から探していた、結城昌治「ゴメスの名はゴメス」(光文社文庫版;結城昌治コレクション)を、ようやく古本屋で入手した。 1962年(昭和37年)に発表された、ベトナムを舞台としたスパイ小説である。 ベトナム戦争にアメ …
【書評】ゲッツ板谷「そっちのゲッツじゃないって!」(ガイドワークス)における文体論
ゲッツ板谷「そっちのゲッツじゃないって!」(ガイドワークス)をamazonで先行注文し(どうでもいい情報)、先日到着して一気読みした。 相変わらず過剰なサービス精神で密度の濃いエピソード満載で、面白かった。 ゲッツ先 …
【書評】大鹿靖明「東芝の悲劇」(幻冬舎)に見る、最後まで人間に残る”名誉欲”という宿痾
大鹿靖明「東芝の悲劇」(幻冬舎)を一気読みした。 東芝という会社とは昔少し仕事上の付き合いがあったが、今は全くない。 そのかつての僅かな経験からくる個人的感想に過ぎないが、本書でも描かれた類型的図式「日立=野武士」 …
【炭鉱労働】あまりにも過酷な労働と記憶の遺産【書評】
以前の記事:【炭鉱労働】上野英信と山本作兵衛を読んでブラック労働を考える【書評】 に引き続き、 ・真尾悦子『地底の青春 女あと山の記』(ちくまブックス) ・鎌田慧『去るも地獄残るも地獄 三池炭鉱労働者の20年 …
【書評】ヨッピー『明日クビになっても大丈夫!』に見る”まともな”感覚に安心する
発売されたばかりのヨッピー『明日クビになっても大丈夫!』(幻冬舎)を読んだ。 Webで見る面白い横書き記事とは異なり、若干の自己啓発系、ビジネス系風味の縦書き本である。やはり”紙の本”というのはお互い勝手が違うのか、読み …