嵐山光三郎『漂流怪人 きだみのる』を読んだ。 きだみのる(山田吉彦)は、岩波文庫『ファーブル昆虫記』の翻訳で業績のあるフランス文学者である。在野で過ごし、戦後は文明批評で有名であった、というのが一般的な世評である。 …
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【書評】倉田喜弘『明治大正の民衆娯楽』ーメディアとしての芸能「講談」の隆盛と衰退の背景(追記あり;再販されました)
倉田喜弘『明治大正の民衆娯楽』(岩波新書)を読んだ。 明治、大正の様々な–既に廃れたものや、今なお形を変えて続いているものもある–芸能が解説されている。時代背景も含め、興味深く読んだ。 例えば「娘 …
【炭鉱労働】上野英信と山本作兵衛を読んでブラック労働を考える【書評】
この記事は、過重労働問題、特に現在日本で直面している労働の課題について相対化する意図はないことを冒頭で記しておきたい。 ・上野英信『追われゆく坑夫たち』(岩波新書) ・山本作兵衛『画文集 炭鉱( …
【書評】東野治之『木簡が語る日本の古代』ー古代の乳製品”蘇”(そ)とは牛乳の湯葉ではないのではないか(追記あり)
東野治之『木簡が語る日本の古代』(岩波新書)を読んでいて、日本の奈良時代に既に”牛乳及びその加工製品”があったことを知って、興味深く思った。 牛乳自体は6世紀半ばに日本に渡来してきたようだ。 その中で、蘇(そ)と呼 …
フロントライン・シンドロームと兵站の問題
現場と中央、支社と本社、こうした精神的、物理的な距離を隔てた関係において、連携がうまく機能しないことはよくある。 特に自分が現場の立場であった過去を振り返ると、”どうしてもっと本社はサポートしてくれないんだ!”とか”どう …