お酒, ドリンク

ついにオフィスのオンタイム狙いー透明ノンアルビール「オールフリー オールタイム」はちょっとビールから遠くなってしまい背徳感に欠ける


 透明飲料が流行る中で、ついに出た透明のノンアルコールビール。

 そして狙いはオフィスである。やはりノンアルコールビールの市場拡大のためには、オフィスのオンタイムを狙うのは確かにわかる。

 実際に完全ノンアルビールが発売された時点で、すでに「これって普通に会社の就業時間中に飲んでもいいんだよね」「でも見た目があからさまに酒っぽいからなあ」「そのうち総務部門から通達が出るんじゃないの」なんて会話があったのだ。

 出張などの昼ごはんでラーメンと一緒にノンアルビール、というのは別に問題ないはずだが、何か違和感というか背徳感を感じるのも事実である。

 そんな中、ペットボトルで、透明で、という製品が出た。サントリー「オールフリー オールタイム」である。

「さあ、みなさんの会社で飲めないという背徳感の原因要素を全部取り除きましたよ!」というサントリーからのニコニコした声が伝わってくる(幻聴である)。

 完全な透明。そしてビールっぽさの全くない白を基調にしたペットボトルデザイン。これで朝のコンビニで買って、オフィスで普通に飲む風景が当たり前になるのであろうか。

 飲んでみると、強め炭酸と果汁(レモンかライム)のフレーバーを感じる。あまりビールっぽさ(麦っぽさ)がないのである。つまりビールではなく、フレーバー付き炭酸飲料っぽい。つまり、ビール特有の酩酊感の先走りもないし、高揚感もない。缶入りのオールフリーでは当然それがあるのだが。

 参考記事:【ビールテイスト飲料の市場】ホッピーとオールフリーの居酒屋における棲み分け戦略

 味もさることながら、もう一つの要因”泡”がやはりビールっぽくないからであろうか。

 まあ、これなら確かにオフィスでも気兼ねなく飲める。自販機に入れるのを総務部が許可しそうな感じである。

 でも、それでは面白くないので、少々置きに行った感が否めず、それなら別の炭酸飲料を購入したいよ、と思ってしまった。惜しいのである。もっとビール側に寄せるべきではなかったか。

 ここはむしろ清涼飲料水側から寄せていくのではなく、真っ向から仕事中にビール(酔わない)を飲む、というイメージ戦略の方が良いのではないか。ドラマとタイアップして、のべつまくなしに冷蔵庫からノンアルビールを鯨飲しているワーカホリックの物語などの方が、既成概念をぶっ飛ばして新たな市場を作りあげることができるように思う。

Share

作成者: tankidesurvival

・男性 ・アラフィフ ・技術コンサルタント ・日本国内の出張が多い ・転職を経験している ・中島みゆきが好き ・古本屋が好き