【書評】平井和正「超革命的中学生集団」50年前のSFスラップスティック小説で、楽屋落ちやギャグ連発でも古びてない凄さ

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 先日行きつけの古本屋で見つけた、平井和正「超革命的中学生集団」(角川文庫)を105円で入手。カバーはなかった。前から読みたいと思っていた作品である。

 初出は1970年。もはや50年前の作品。そして内容は、ジュブナイル+スラップスティック小説で、ある意味軽い文体で書かれてギャグ満載なのであるが、不思議と古びていない。

 更に当時のSFファンダム(一の日会)に集うデビュー前の横田順彌や鏡明が実名でメイン登場人物として使われると同時に、SF作家を模したキャラや作者自身も出てくる。

 要するに、物語製作として危険な手法である楽屋落ちまで多用しており、一歩間違えば「オタクの内輪受け」という最悪の事態になってしまう可能性を秘めているのだが、不思議とそれによって質が低下していないのである。

 イラストはウルフガイシリーズで重厚な絵柄を提供する生頼範義で、これも絵柄と相まって面白い。

 まさかの角川映画版「復活の日」のイラストレーターが、性転換したハチャハチャ主人公のイラストを描く羽目になるとは(時間軸が逆だが、この作品的にはあり)。

登場人物紹介が既に笑えてしまう

 軽快な文体、メタ的仕掛け、オノマトペ(擬音)だけで1ページ続く戦闘シーン、ラストにおける小説自体の解体的仕掛けなど、平井和正の先駆性がこれでもか、と出てきて非常に面白い小説であった。

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