【書評】谷川ニコ『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』24巻–小宮山さんの”王者の変態ぶり”が冴える


谷川ニコ『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』24巻を読んだ。

今回は文化祭の前日から当日を迎えるまでのまさに青春ど真ん中の期間が収録されている。

文化祭は準備期間が一番楽しい。開催するまでは時間が濃密だが、実際に当日を迎えてみると、意外に大したことはない。終了までのカウントダウンが刻々と進むだけの日々で、思ったより充実感はないのである。

我々の時代でもあった定番の段ボール集めのエピソードもあり、まさに青春。それに加え現代的なスーパー銭湯での直前合宿(といっても絵文字以外何もしていない)まである。

そんなもこっち監督の映画の出来栄えはまあ、日常の変態性に更に変態性を加えた感じでありなかなか面白い。

今回のハイライトは、変態の帝王である小宮山さん含めた変人オールスターが集結するシーン。最後にはやはり真打である小宮山さんがゾクゾクする発言で、主導権を握り返した上で、きちんと(?)締めるという王者の貫禄ぶり。

3年の秋になり時の流れが微妙に緩やかになってきた気もするが、いよいよ卒業に向けてこの作品世界がどうなるのか少し注目している。

Share