【書評】山田正紀「花面祭 MASQUERADE」華道を舞台にした、ハッピーエンドを許さない連環的な読後感を持つ本格ミステリ

 山田正紀「花面祭 MASQUERADE」(講談社文庫)を読んだ。  華道を舞台にしたミステリであり、4人の若い女性華道師範による、秘伝の花”しきの花”をめぐる謎解きを縦糸にしながら、過去にこの流派で起こった”事件”をめ 続きを読む…

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【ブックセンターいとう】30年前の多摩ニュータウンにあった超大型古書店の思い出【博蝶堂】

 あれは1980年代前半から1990年代前半。  まだバブルが弾けていない、古き良き時代のことであったと記憶している。   多摩ニュータウン近郊に出現した「超大型古書店」の思い出について語ってみたい。  これはBOOKO 続きを読む…

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【書評】岡野弘彦「折口信夫の晩年」–折口信夫の壮絶な晩年と恐るべき師弟関係を描く

 岡野弘彦「折口信夫の晩年」(中公文庫)を読んだ。  民俗学者・国文学者・歌人の折口信夫と晩年に同居し、その最期を看取った岡野弘彦による本書は、折口信夫という巨大な学者の、常識の枠を大きく逸脱した晩年のエピソードが満載で 続きを読む…

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【書評】楠木新「左遷論 組織の論理、個人の心理」–”個人的な経験”となる「左遷」に対する体系的な良書

 楠木新「左遷論 組織の論理、個人の心理」(中公新書)を読んだ。  生命保険会社を定年まで勤め上げ、MBAも取得している著者によって書かれた本書は、「左遷」という概念を真正面から取り扱っている良書である。  本書で言及さ 続きを読む…

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【書評】菊池秀行「吸血鬼(バンパイア)ハンター”D”」–激烈に面白い超エンターテイメント!

 菊池秀行「吸血鬼(バンパイア)ハンター”D”」(ソノラマ文庫)を読んだ。  本当に今更ながらであるが、初読である。  1983年出版の作品で、菊池はこの作品を執筆当時33歳。  いわゆるSF伝奇的な作品で、 続きを読む…

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【書評】平井和正「狼よ、故郷を見よ」–”狼男”の失われた”母”をめぐる傑作

 平井和正「狼よ、故郷を見よ」(ハヤカワ文庫)を読んだ。表紙や挿画は、生頼範義であり、なかなかの雰囲気である。  本書には「地底の狼男」および「狼よ、故郷を見よ」の中編2編が収められ、いわゆるアダルト・ウルフガイ、30歳 続きを読む…

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【書評】矢野徹「カムイの剣」–日本SF第一世代による幕末を舞台にしたSF大冒険活劇

 矢野徹「カムイの剣」(角川文庫)を読んだ。いわゆる旧版の1巻本で、1975年発行の初版本である。  アイヌと和人の間に生まれた主人公が、自身、そしてその親をめぐる大いなる謎を解くべく、東北、北海道、オホーツク、ベーリン 続きを読む…

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【書評】山田正紀「恍惚病棟」信じていた世界が、ある瞬間にグラリと転回する、本格ミステリ

 山田正紀「恍惚病棟」(ハルキ文庫)を読んだ。  山田正紀は、デビュー作「神狩り」以降、極めて高度な娯楽性を持った作品を描き続けている。本作も認知症患者(老人)のいる病院を舞台に、本格ミステリのもつ大トリックが仕込まれた 続きを読む…

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【書評】田中光二「異星の人」人類の「発展の限界」を描く、叙情性に貫かれたSF

 田中光二「異星の人」(ハヤカワ文庫)を読んだ。昭和52年発行のハヤカワ文庫の初版である(どうでもいい情報)。  SF第二世代にあたる著者であるが、読んだのは初めてである。  表題通り、いわゆる異星人の視点で人類の”種と 続きを読む…

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【書評】施川ユウキ「バーナード嬢曰く。」5巻–まさかの激烈ペシミスト、E・M・シオランまで取り扱う幅広さ!

 2020年5月出版の、施川ユウキ「バーナード嬢曰く。」5巻を読んだ。  関連記事:【書評】施川ユウキ「バーナード嬢曰く。」ーセカイ系の構造を持った文化系学生の視る夢  読書マンガであるが、ネタが良く続いていると感心する 続きを読む…

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