つげ忠男『成り行き』(ワイズ出版)を読んだ。 主に3編(実際には4編)の作品(マンガ)が収録されている。2編は書き下ろしであり、残りの2編は過去の名作「懐かしのメロディ」(1969年)の発行当時バージョンとそのリメイクバ …
カテゴリー: 読書
【書評】新刊『福島第一原発1号機冷却「失敗の本質」』に見る連鎖複合事故におけるマネジメントの困難さ
NHKスペシャル『メルトダウン』取材班による『福島第一原発1号機冷却「失敗の本質」』(講談社現代新書)を読んだ。 福島第一原発の1号機が、2号機、3号機と比較して、損壊の規模の大きいことは既に解析や観測により明らかになり …
【書評】川原泉の新刊『バーナム効果であるあるがある』を読んだ
川原先生の6年ぶりの新刊が出たので、早速読んでみた(湯河原温泉旅館で)。 関連記事:『美貌の果実』で男子のココロを鷲掴みした川原泉の今の絵が”硬く”なってしまったような気がする 上記記事でコメントしたような、絵柄の硬質化 …
【書評】吉本隆明の最後の連載『開店休業』と”梅干し in 味の素 with 醤油”
吉本隆明(追想・画 ハルノ宵子)『開店休業』(プレジデント社)を読み返している。 80歳台に入り、肉体的にかなり弱ってきた吉本先生が、静かに老いを迎えていく中で、”食事”や”味”について語っている。 まさしく親鸞の還相回 …
【書評】結城昌治『軍旗はためく下に』:聖戦の大義と組織の腐敗
深作欣二により同名で映画化されたことでも知られる、昭和45年の直木賞受賞作である。 あとがきによれば、著者は東京地検に勤めていて、昭和27年「講和恩赦」における恩赦事務に従事する際、大量の軍法会議の記録を読み、日本陸軍の …
【書評】中島らも『心が雨漏りする日には』は猛毒が仕込まれている
中島らも先生は、一貫して強靭な自意識を保ちつつ、ドラッグや酒に対峙することができた稀有な人物だと思う。 若い頃からの睡眠薬の過剰摂取に始まり、アル中、ドラッグなどの経験や、メンタル的な病を抱えての生活など、通常であればそ …
【書評】『吉田豪の”最狂”全女伝説』を読んでノスタルジックな気分になる
女子プロレスには思い入れがある。 世代としてはクラッシュ・ギャルズ世代であり、テレビ中継での極悪同盟との抗争に熱狂した。社会人になった頃には全日本女子の経営悪化、GAEA JAPANの台頭などの状況変化があり、時間とお金 …
【書評】ビジネスパーソンは競技のプレイヤーなのだろうか:ケン・ブランチャード『社員の力で最高のチームをつくる《新版》1分間エンパワーメント』
今さらながら言うことでもないが、ビジネスは団体戦である。 私自身は個人の力を強く信じる立場のものであるが、団体戦の効果の優越ということは認めざるを得ない。 団体戦には「集団知」というような、個人の能力を単純合算した …
【書評】暗黙知である設計意図の言語化:北山一真『プロフィタブル・デザイン iPhoneがもうかる本当の理由』
製造業に限らないが自らの競争力維持・獲得のために、業務プロセスの改善サイクルを常に回していく必要がある。 特にITという手段を使って設計改善・設計改革を進める場合、本当の意味でその改革が効果を上げているのかどうか、あ …
町田市民文学館「本の雑誌 厄除け展」に行ってきた
こんな展示を見かけたので興味を持って行ってみた。 椎名誠はSF小説や自伝的小説含めてかなりハマっていたし、目黒考二(北上次郎)も活字中毒関連でエッセイを面白く読んでいた。 目黒考二『本の雑誌風雲録』(角川文庫) 特に編集 …