鶴見駅の立ち飲み名店「鶴見川橋もつ肉店」へ行って、さて帰ろうかと店を出た後に、隣のラーメン屋に目が止まった。
ここも何時も行列の店である。偶然、行列が”薄く”なっていた。
あれ?入れそうな感じの微妙な混み具合。このタイミングは「行け」という囁きなのか?(幻聴が始まっている)
自分の腹具合と相談する。
既に満腹中枢が麻痺しているのか、前のめりな感じで「OK」という回答が。
良くわからないので食券を買ってみる。「汁なし担々麺」の大を注文した。まあ、つけ麺で900gを完食した実績のある私であれば問題ない、という判断である。
待っている間に、張り紙に気づいた。「女性は小がおすすめ、通常のラーメンの並の量があります」という店からの警告文である。嫌な予感。
体調まっさらであれば大して心配しないが、既にそこそこ酒を飲んでいる状態である。店は狭く8席くらいしかない。人気店にありがちの、皆求道者のような表情で真面目にラーメンに向き合っている。
まあ汁なしだし、良く見ると大で麺の量350gってあるから、これならいけそう。
うん?隣を見ると、唐辛子のカルボナーラを真っ赤になりながら食べている人がいる。
・・・・これが汁なし担々麺か!
なんか全体量は予想以上に多い気がする。ますます気持ちは萎える。
店主は気のいい老夫婦がやっている。特におかみさんは非常に優しい。
これで残したら逆に説教されそうで不安は募るのである。
ベストコンディションで来れば良かった。せめてもの対策でベルトを緩める。
美味そう。でも麺が見えない。まずはこれを混ぜ混ぜする。
すると先ほど見たような唐辛子カルボナーラになった。
いざ!と食べる。麺は太く、コシがある。隣の青年もほぼ同時にスタートしており、自ずと競争のような形になる。辛くて汗がダラダラ出るが、それを拭いながらも箸を止めずに食べ続ける。
なんとか7割まではこぎつけた。そこで「スープ割」へ。味が変化して旨くなったが、この時点で少々きつかったので記憶がない。
なんとか完食。スープは無理だった。
店を出ると、おかみさんが「シャツ大丈夫?」と声をかけてくれた。
気づけば、白のワイシャツに、無数の真っ赤な飛沫が。気づく暇もなかった。クリーニングで取れるのだろうか?
これだけで主役を張れるクラスの破壊力なのに、締めに食べるには贅沢すぎる一品であった。