【書評】ラズウェル細木『酒のほそ道』41巻 なんと!エビちゃんと諏訪さんが

 そのウンチクと主人公のごっちゃん体質がイマイチ気に入らないものの、習慣的に最新刊41巻を購入し、読んだらビックリ。

 なんとエビちゃんと諏訪いずみ君が、いい感じになっているではないか。

 クリスマスイブに腕組んだり、花嫁修行したりと。

 へえ〜、そうなんだ(遠い目で)。

 親戚の子供がいつの間にか結婚する年齢になって、突然の報告に驚かされたような気がした。

 だいたいp.122の顔が既に色気付いている表情ではないか。口調が「〜っス」で男勝りのキャラだったのに。

 え〜もしかして、既にそんな関係に?(下世話な表情で)

 以下は初登場の時の諏訪さん。初々しい。

 ・・・まあ小篠くんという新たな舎弟キャラも出たし、エビちゃんも新たなステージに移行するということであろうか。

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 しかし相変わらず主人公岩間は、課長の天ぷらを狙ったり、ノドグロをゴチになってるのにも関わらず後から「課長はノドグロ初めてなのに、それを隠してた」なんて陰口を叩いたりして、外道な性格は全開である。

 高い金出して、挙句バカにされる課長は中間管理職の悲哀が漂うものの、作品世界でのカーストは常に低く描かれ、心底同情する。

 正直主人公のようなサラリーマンとしてはおそらく無能に近いであろう(何故なら飲むことしか考えてない)メンバーを組織して、彼らの飲み代となるべく給料を出すたために、会社としての利益を課長は必死に上げているはずで、そうした陰の苦労は決して描かれることはないであろう。

 最初の登場からして、鼻毛を出しながら、バーでニセウンチクを垂れるキャラで、課長に報われる日は来るのだろうか。

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【駅弁】駅弁設計の名作「崎陽軒シウマイ弁当」

駅弁というのは、やはりハレの食べ物である。

 参考:ハレとケ(wikipedia)

出張自体が一種の非日常であり、そこでの食べ物も、日常というより名物的なものがいい。

コスパから言えば明らかにコンビニ弁当なのだが、旅先感覚としては、明らかに割高な(←失礼)駅弁に手を出してしまう。

とはいえ駅弁には結構当たり外れがある。正直ボリューム的はイマイチだ。ハズレの場合のダメージは、購入時点の期待値との差分で効いてくるので、やはり定評のあるものwを堅実に選んで、決して失敗はしたくないのである。

そんな中で、私のイチ押しは、横浜名物「崎陽軒シウマイ弁当」である。これは非常によく設計されていると何時も感心している。

駅弁に設計ってあるのかと思うが、やはりあると思う。オカズのセレクト、味付けなど、この弁当には設計者の思想が入っていると思うのである。

オカズエリアには、オカズ能力、即ちツマミ能力の高いものがちりばめられている。特に美味いのが、タケノコの煮物で、甘辛くて絶妙である。辛めのマグロの照り焼きに対して、甘目の卵焼きとカマボコが配置。

またご飯の炊き方も独特で、適度にモッチリとしているがご飯粒としてもシッカリしている。駅弁としての必要要件である移動しながらでも食べやすいような一定の塊を形成しつつ、個々の味はキープするという、まさに技術による課題解決の見本のようなご飯である。

wikipedia シウマイ弁当より

ご飯は釜で炊いたものではなく、蒸気で蒸したものを使用しており、粒の立った堅めの食感が特徴である。弁当に用いる米を、安定した味でおいしく供給するための工夫という。

引用終わり

シューマイも5個あり、ハズレの無い旨さである。ラストには干しあんずで締める。

ご飯によし、ツマミによしと正に駅弁の王道である。

東京在住であっても時々日常で食べたくなる駅弁界の名作であろう。

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