【書評】ヨッピー『明日クビになっても大丈夫!』に見る”まともな”感覚に安心する

発売されたばかりのヨッピー『明日クビになっても大丈夫!』(幻冬舎)を読んだ。

Webで見る面白い横書き記事とは異なり、若干の自己啓発系、ビジネス系風味の縦書き本である。やはり”紙の本”というのはお互い勝手が違うのか、読み進む際に、「正直ちょっと著者とのお互いの関係が掴みにくい」という感覚を受けた。

やはりオモシロ記事は読者と(基本)同じ目線で、ビジネス本はどうしても上から目線(仕方ないことだけど)だからであろうか。

そんな意識で、同じ目線のまま読み進めようとすると、最初はちょっと戸惑う。でも最後まで読み進めていくと、慣れてきて気にならなくなってくるのだが。

本書では、悩めるサラリーマンに対する生存戦略を、わかりやすく解説している。

特に注目すべきは、プロブロガー界隈の”とりあえず会社を辞めてみろ”のような無責任極まる風潮に対して、これを”信者ビジネス”だとして明確に否定していることである。

細かいところで内容に下ネタが満載ではあるが、このあたりの主張は筋が通っていて、すごくマトモで好ましいのである。

またサラリーマンからフリーランスへの段階的な移行戦略を、具体的に述べている。

ここで書かれていることの一部は、実は先ほど否定されたプロブロガー界隈の主張とも同一なのであるが、その先に彼らが語ってくるマルチビジネスにありがちな非対称性(親子関係にも似たマウンティング)が一切なく、むしろ、その道を明確に否定してくれる。

この主張は、ブロガー界隈の言説の上位互換であって、彼ら自身のロジックを内包し乗り越えてしまっている高い戦略性が見えていて、ようやくマトモなことを言ってくれる人が出て来たなあと、少し安心するのであった。

あと、一番面白かったエピソードは、フリーランスの孤独についてのシモダテツヤが言い放った「じゃ、僕らこっちなんで!」という話(p.103)である。

あまりの面白さに作り話か、お互い阿吽の呼吸で作り上げた”プロレス”なのかとも思ったが、きっと、なんとなく真実なんだろうなと思う。

そんなことを読者に思わせる”信頼の貯金”を持っているライター像を作り上げた戦略が見事に奏功している。

 

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立ち飲み屋探訪:武蔵小杉駅「人情屋台 一心」まさに人間味溢れる”屋台”

最近の武蔵小杉の再開発はすごい。昔はゴミゴミした街であったのにすっかりタワーマンションが立ち並んでいる。駅前にもそうしたマンションの営業マンが沢山いる。飲食店の感じも少し変わってきたのだろうか。

JR南武線の武蔵中原方向のガードに沿った場所に「人情屋台 一心」がある。

夫婦2人でやっていて非常に賑やかだ。

メニューも豊富で、なんとハイボールが初回100円、その後140円と非常に安い。

お酒のメニューも焼酎や日本酒も多い。

今回は、ホッピーセット(420円)を注文した。ホッピー指数は2.5である。

ここも各テーブルに勘定書きがあり自分で記入するシステムである。

尻手駅の「新川屋酒店」に続く2回目の遭遇である。

おすすめの「カレーがけ」がすごく気になるので、「からあげカレーがけ」を注文してみた。

到着した「からあげカレーがけ」。ちょっとイメージと違い、スープカレーのようなルーに唐揚げがひたひたになっている。そしてこのルーが結構スパイシーな辛さで癖になる。酒飲みにとって非常に合うカレーである。

お酒メニューも充実しており、長居をしそうな感じの立ち飲み屋であった。

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