ビジネスシーンにおいて、人から仕事を振られる場面はよくある。
力関係で受け取らざるを得ないものもあるし、いやいやちょっと待ってよ、という保留状態、調整フェーズがある場合もあるし、勘弁してつかあさい、負荷パンパンです、という拒否もある。
Win-Winであれば、喜んでやらしてもらうが、そんなことは現実には非常に稀で、だいたいの場合には先方との交渉、条件闘争が入り、次第に消耗していく。
自分が実行する主体であれば、まだ少しだけ、心が軽い。最悪、自分のタスク内のやりくりだけなので、仕方ないかという諦めもつく。
しかし、これが相手方と別の相手方との間を繋ぐ場合は、きつい。要求側だけでなく、実行する側の文句もこちらにくる。要求側と実行側、両方から責められ、自分がボールを抱えたまま、時間だけが過ぎていく…つ、つらい。つらすぎる。
それが会社間だったりしたら・・・(白目をむいて口から泡を吹いて後ろ向きに倒れながら)
とはいえ、世の中、最後は時間が解決することも多い(そうでないこともある)ので、最後はお互い納得しないまま、仲介したこちらも気分悪いまま、落着することが多い。三方一両損である。
これにしたって、みんなハッピーなシナリオだってあるはずだが、ビジネス本の外の現実世界には中々ない。
交渉する立場としては、やはり自分がボールを持っている状態が一番きつい。その内ボールが、火のついたダイナマイトのように見えてくる。時間が経てば経つほど導火線が短くなる…
ビジネスパーソンとして、解決策は何か考えてみた。
そこで、北斗神拳究極奥義 「無想転生」である。
無想転生(究極奥義)
北斗神拳究極奥義。哀しみを背負うことで修得できる。「無から転じて生を拾う」という意味合いを持つ。実体を空に消し去り、敵の攻撃を「透明無敵化」にしてかわし、一撃を与える。これを発動されると回避も攻撃も無効になる。
引用終わり
哀しみを知った者しか会得できないこの究極奥義こそ、身につけたい。
これさえあれば、相手の攻撃は無効化されるので、まさに仕事がシームレスに流れていくはずだ。究極の戦いとは、戦い自体しないことだ、という合気道の極意(だったか?)にも通じる。
ただ、これは現実では苦しいのである。
哀しみを背負ったつもりでも、相手の攻めは直撃する。全然無想転生になってない。
「どうするんですか!もう外注に発注してるのに!」
「これ以上予算オーバーできません!」
「いつまでグダグダやっているんだ!」
など。
既に聞き飽きているのである。世情は既にこんな罵声にあふれているのである。
しかし、無想転生は究極奥義であるが、実は、ビジネスの世界では、既にそれを会得したような人も結構見かける。
「どうするんですか!」の北斗剛掌波を、するりとスルー。僕は知りません攻撃である。
本人は知らんふり。蛙の面になんとやらの状態である。
一見、私は衝撃を受けた。
こんな現実世界に、北斗神拳究極奥義「無想転生」を体得した方がいるのかと。
しかし、実はそれは周りの目からは違った。
ただ、仕事をスルーしていただけだと、認識されているのである。
その証拠にその人の背中は煤けていた。まるで業火に焼かれたように。ラオウの北斗剛掌波が掠めたように。いやかすめていない。
「アイツは仕事をスルーする当事者意識のないヤツだ」というレッテルがついている。
見透かされているのである。世の中恐るべし。
仕事のスルーと無想転生の違い、心に刻みつけている。