南日本新聞社編「戦火の漂流42日 太平洋に流され敵潜水艦に捕われる」(光人社NF文庫)を読んだ。 漂流ものは、まさにサバイバルであり、色々読んできた。 本書は、その副題にあるように、単なる漂流による過酷な環境での生 …
月: 2020年5月
【書評】半藤一利「指揮官と参謀 コンビの研究」人と人の化学反応による組織的行動、そして人材マネジメントにおける”失敗の本質”
半藤一利「指揮官と参謀 コンビの研究」(文春文庫)を読んだ。14組の指揮官と参謀の組合せと、それによる組織的行動の”失敗”を系時的に描くことにより、昭和初期の満州事変から太平洋戦争敗北に至る日本という”組織”の課題を「 …
【書評】清水きん「夫 山本周五郎」へそ曲りの山本周五郎を支えた奥さんの回想による、もうひとつの”山本作品”
清水きん「夫 山本周五郎」(福武文庫)を読んだ。 山本周五郎も好きな作家で、新潮文庫で随分読んでいる。大学時代、理論物理のゼミ発表のため徹夜をして準備している最中に、思わず手に取った「さぶ」(新潮文庫)を一気読みして …
【書評】スティーヴ・ハミルトン「解錠師」–金庫と”対話”する、言葉を失った少年のモノローグ
スティーヴ・ハミルトン「解錠師」(ハヤカワ文庫)を読んだ。テレワークで孤独に苛まれている精神状態ともマッチして、しみじみと良い小説であった。 とはいえ、小説としては犯罪小説である。主人公の才能は天才的な「金庫破り」で …