連載10年、20巻に到達した谷川ニコ『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』20巻を読んだ。特装版付きの記念巻である。
今回は最近の黒木リア充路線の停滞感を脱しており、非常に面白かった。
![](https://i0.wp.com/tankidesurvival.com/wp-content/uploads/2021/09/IMG_8006-scaled-e1631320781710-300x245.jpeg?resize=300%2C245&ssl=1)
それはやはり表紙にもなっている「キバ子」フォーカス路線だったからであろう。ある意味、読者からもヘイトを買うヒールキャラで、主人公の黒木さん(もこっち)より、真の意味で”ぼっち”なのである。
さらに初期のもこっちを彷彿させる孤高のぼっちであり、ストロングメンタルの”二木さん”との交流もあり、これが本巻の中で、非常に質の良い青春ドラマになっているのである。
そして脇を固める形となってしまった、もこっちの所々出てくる下ネタも良いし、もこっちストーカーの”ウッチー”がいつの間にか少しだけ成長しているエピソードもある。各キャラもそれぞれ個性を出して登場しており、オールスター風である(特装版では”きーちゃん”も出てくる)。
10周年で改めて原点回帰したような”ぼっち”路線であり、非常に面白く読めた。最近の「わたモテ」の中でも白眉となる巻であろう。