立ち飲み屋探訪:大井町駅「立呑み処 豊後屋」メニュー充実のお店で数量限定のツマミをいただく

 大井町の東小路の先、「肉のまえかわ」の先にある2Fにある「豊後屋」へ入店。広めの空間の壁そいにカウンターがあり、真ん中にテーブルもあるが空間は広めで、立ち飲み特有の渋滞感はないレイアウト。

 キャッシュオンで小さいカゴにお金を入れて、その都度精算するシステムである。

 まずはホッピーセット白300円。中は200円となかなかリーズナブル。

 ツマミも豊富で、駄菓子まである。今回は壁に貼ってあるPOPを見て、”数量限定”とそそるキャッチのある「小海老マヨ小鉢」200円をまずは注文。

 意外なことに、”液体系”であった。マヨソースの中に小海老と刻み玉ネギが入っている。スプーンですくって食べると言う、酒のツマミとしては変わっているが、ピリ辛(チリソースのようだ)で美味い。これはなかなかイケる。

 続いて同じく数量限定の「みょうがいりこ和え」250円。かつお節たっぷりに、みょうがと味醂干しのいりこ。これも少し醤油をかけて食べると、絶品であった。

 最後にトマトハイ。トマト酢の酸っぱさがしみわたる。

 人気店で賑わっているが空間広めなので1人飲みでは非常に落ち着く。

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【書評】田嶋雅巳「炭坑美人 闇を灯す女たち」(築地書店)–明治、大正生まれの女性たちが生きた過酷な炭坑労働の聞き書き

 最近、笑いを提供するはずの職業の人々に関して、見る人間の気持ちをかき乱すような情報を見たくなくても目にするようになり、いたたまれない気持ちになっている。

 そんな中、過酷な炭坑(炭鉱)労働に従事してきた女性の聞き書きを収録した田嶋雅巳「炭坑美人」(築地書店)を読んだ。

収録されているのは、明治、大正生まれの九州の女性46人。氏名を名乗ってポートレートとともに経験を話す人もいれば、匿名で話す人もいる。九州弁そのままの語り口で、今から見えれば”過酷な”労働を、時にユーモラスに語る。

 本の表紙も、こんな良い笑顔の写真であり、炭鉱労働のもつ危険かつ過酷な側面だけでなく、より広い意味で働き、生きていく意味とは何かということを考えさせてくれる。

 以前の記事(【炭鉱労働】あまりにも過酷な労働と記憶の遺産【書評】)で記載したように、公には昭和初期の時点で女性の炭鉱労働は禁止されていた。しかし、実際には第二次世界大戦期の労働力不足による規制自体の無効化や、戦後においても生きるために規制をかいくぐり過酷な地底の労働に従事してきた経験がいくつも掲載されている。

 先に述べたように、“過酷な労働に女性が従事した”という単純な側面だけでなく、口減らしとしての就労年齢以下からの児童労働という側面、家庭を持った後の配偶者との苦労談、安全性を無視した労働、戦中の朝鮮からの労働者への差別、といった多面的な事実がそこには含まれる。また、そんな過酷な労働でありながら炭鉱労働自体に堂々と愛着を持つ人もいる。

 興味深いエピソードは多々あるが、ここでは別の角度から一つ引用したい。

  炭鉱の中、地底の中の“馬”の話である。大手の炭鉱の坑内は生産量も多く、エレベータなどの機械化の手段を使って地底に降りていく。しかし、次第に先端に近づくにつれて空間的な制約などから機械化、自動化は進まず、人手の作業中心になっていく。

 そんな中で、坑内で荷を輸送するための労働力としての”馬”がいたというのである。この馬は、人間と異なり、交代して地上に上がることはない。基本、地中での生活である。

 明治40年(1907年)生まれの倉谷タマキさんの話として、以下のようなエピソードが語られている。

 その当時から三坑(福岡県田川市の三井炭鉱 伊田坑のこと;引用者注)には竪坑があってケージに乗って下がりよった。今で言うたらエレベーターたい。何十尺とかいいよったが・・・そんなにはかからんよ。二、三分やないかと?それからは人車に乗ってまた下がる。人車ちゃあ電車のこーまいげなもんたい。アンタ!地の底に電車が走っちょるんばい。たまがったぁ!そいで人車を降りたら今度はしばらく歩かなならん。そうすると今度は馬がおる!それを見たときはなおたまがったぁ!いつまで馬が坑内で炭を引きよったんやろうか?ウチが下がりたって、まだ二、三年はおったきねぇ。
 坑内に使わるる馬ちゃあ可哀想なもんたい。ずーっと地の底におって、お天道さんを拝むことは一切でけん。そいで使われんごとなって初めて上さへ上げられる。坑内の暗い中に何年もおって、弱ってから上げられたっちゃぁ目もなんもわからんごとなっちょるとたい。

田嶋雅巳「炭鉱美人」(築地書店) p.170

 著者のあとがき「おわりに」によれば、ここで描かれた人々は、すでにこの本が刊行されようとした2000年時点でも6割の人がこの世を去っている。現時点では、更に時間が経過している。著者が本書の結びで述べたように、過酷な人生の終盤に笑いとともに人生を振り返ることができた方々と同じように我々もまた、後に振り返ることができるのであろうか。 

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立ち飲み屋探訪:大井町駅「いさ美寿司」東小路の有名店!極狭ながらも美味い寿司と超絶テクで大満足

 前々から行こうと思いつつ果たせなかった大井町駅の東小路にある「いさ美寿司」へようやく入店。ここは8人も入れば満員の極狭空間だが、ものすごい人気店で、店外待ち行列もできるのでタイミングが合わないと入れないのである。

 店内は、小さいカウンターの中で大将が一人。寡黙そうだが、サービスは良い。

 まずは「おまかせの上」1,500円を注文する。目の前でものすごく素早い動作で、あっと言う間に寿司が出てくる。シャリは小さめで、バリエーションたっぷり。最後には鉄火巻きも出てくる。

 まさに大井町をさまよう酒飲みのハシゴ酒に最適化されている感じである。

 あまりに素早いので全部を撮影はできず。3カンまとめて、大将の片手の掌の中から出現するクロースアップマジックを見せられているような感じであった。

 お酒は缶のハイボール400円。なかなかだが、ここは寿司を楽しむ店なので、むしろサービス代込みのような気分になる。日本酒もあるので今度はこっちか。

 続けて、アジとシメサバを注文。写真はシメサバ。美味い。

 出入りの際にも、店外まで出ないと入れ替わりができないほどの極狭空間であるが、非常に充実した寿司コースをつまめる流石の名店である。

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最近の夏の風物詩:昨年は暑さに負けたラーメン屋の今年

 夏になるといつも休むラーメン屋があり、暑かった昨年は、唐突に8月頭に以下のような力尽きた感じの休業の張り紙が。

2018年の夏

 そして今年2019年はというと、遅かった梅雨明けだが、開けると猛暑が続き、やはり今年も以下のような表示が。

2019年の夏

 今年は倒れる前に予防的措置が取れており、なんか病に倒れて休暇というより、計画的休暇感があり、少しレベルが上がっている気がする。

 とはいえ、小学生並みの休暇が取れるのは、ある意味凄い。ヨーロッパのバカンスであろうか。羨ましい。

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