立ち飲み屋探訪:五反田駅「蕎麦五反」駅前の一等地に立つ蕎麦屋の一角にあるスタイリッシュな立ち飲み

 五反田界隈を探索していると駅前の一等地に蕎麦屋が。よく見ると立ち飲みもやっている。この「蕎麦五反」へ入店である。中はテーブル席と立ち飲みエリアに分かれている。支払いは一括方式で、日本酒冷蔵庫もあり、日本酒がメインのようだ。

 カウンターで注文し、あとで一括払いになる。

 黒板におすすめの日本酒があり、「緑川 濁り酒」590円をオーダー。

 ツマミも高級志向で「板わさ(小田原)」690円と「べったら漬け」390円。チェイサー付きである。また伝票はトランプのようなカードになっている。

 「緑川」はやはりうまく、お代わりした。板わさのわさびも本物で、フルーティな香りが強く、これだけでもツマミになる。

 価格はやや高め設定であるが、ある意味それに見合うツマミもあり満足度は高い。こうなると蕎麦も気になるが、今回はグッと我慢した。

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立ち飲み屋探訪:中野駅「立飲 やきや」飲み屋激戦区中野にある良心的価格の立ち飲み

 中野駅周辺は飲み屋激戦区で、目移りするくらい安くてうまそうな飲み屋が並んでいる。住んでなくてよかった(どういう意味?)。

 南口から出て徒歩3分くらいの一角にある「立飲 やきや」に入店。

 古びた落ち着く居心地の良い感じの店内に、店主がひとりで切り盛りしている。支払いは後で一括方式。

 まずはホッピーセット360円。中は170円。

 ツマミとして「みそキュウリ」220円。美味い。

 そして「しめさば」300円。なかなかの予想外のボリューム。嬉しくなる。年齢を重ねてきて、しめさばが好きになってきた。しめさばは漬物的な側面もあり、奥が深い。

 自分で作った釣りもののサバを軽く酢で締めたもので、見事当たったことも今では良い思い出だ。新鮮なサバの、軽い酢締めはとてつもなく旨いので、少々のリスクでは懲りないのである。

 濃いめになった中をお代わりして、これだけで1,000円足らず。滞在時間は15分でベロベロである。中野は奥が深い。

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【目標;3ヶ月で-5kg】ダイエット第9週(11/26〜12/2)の結果報告

ダイエット1週間の記録:第9週目(11/26-12/2)

結果:体重減 1.1kg 累計(-15.35kg)

 順調に減りつつあるが、明らかに代謝が落ちているのか、体重の減りが鈍くなってきた。

 また、12月に入り「忘年会」というダイエットに対する鬼門がやってきた。

 ダイエット中 であることは周囲にオープンにしつつ、なんとかそれをネタにすることで、周囲の環境からも統制をかけてもらい、バカ食いをしないように気を付けている。

 しかし、飲み会のもうひとつの鬼門である「帰りのコンビニ」は如何ともしがたい。

 ここでスイーツを買ってしまい、帰宅後「まあ、もう充分飲み食いしたし、この位いいよね」という理論武装ができてしまい、抗うこともできず、翌朝の食卓には謎のスイーツ食い散らかしの夢のあとで、それを見た後悔と胸やけで、形而上学的二日酔いは増進するという訳である。

 まあ、その意味では年末、正月の前にそこそこ結果を出せておいたので、良かったとも言える。ここはキープで乗り切り、来年も継続、というようにランディングしたいのだ。

 今回買ってよかったものは、ローソンの「やわらか黒おしゃぶり昆布」である。

 おしゃぶり昆布は固いものと思われがちだが、これは比較的食感がやわらかく、味も上品な旨味である。カロリーも当然低く、1袋26kcalである。

 都こんぶの大容量パックは、手づかみになってしまい、あまり会社のデスクでは食べにくいので、オフィスではこちらを重宝している。

【肉体の変化】

  • 持病の腰痛が薄れてきた


【メンタルの変化】

  • 睡眠の質がいまいちよろしくなく、ちょっとした脅迫系の夢を時々見るようになってきた。クリーンルームで、自分の手袋がどうしても見つからない、出張で次の宿泊予約や乗車券がどうしても予約できない、温厚な同僚から突然会議の場で暴言を吐かれる、などの夢を見る。ちょっと何かに怯えているような気がしている。何かは自分でもわからない。
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立ち飲み屋探訪:西川口駅「スタンドバー かんづめや」–駅近でいい感じの1時間限定の立ち飲み屋!

 京浜東北線西川口駅の西口から出てすぐのところにある「スタンドバー かんづめや」に入店。

 入ると優しそうな男性が迎えてくれる。

 支払いは後で一括方式。店内には「1時間以内」という張り紙があるが、そもそも立ち飲みはあまり長居する場ではないので、 これはこれで潔い姿勢である(追い出されそうにはない雰囲気だけど)。

 まずはホッピーセット400円。ナカソトはともに200円。はじめを一気に飲んだら、2杯目のナカは致死量でやってきた(うれしい)。

 ツマミはホワイトボードに書かれていた中から選ぶ。おすすめの「親子皿」260円と「あぶり焼きチキン」200円である。

 「親子皿」は、このような、なかなかのボリューム。12月だというのに「今年初オーダーです」というジョーク?とともにやってきた。

 サービス?でベビーチーズも最初のおしぼりと一緒に出てきた(おそらくお通しではないはずだ)。

 サクッと食べてほろ酔いで帰宅である。

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【書評】アイザック・アシモフ「鋼鉄都市」–SFの王道でありつつ、実は「青春熱血小説」としても読める構造

 ロボットものの古典的SFミステリである、アイザック・アシモフ「鋼鉄都市」を読んだ。

 地球は人口爆発して、テクノロジーによる管理された文明を築いていた。 表題の”鋼鉄都市” (The Caves of Steel)とは、技術によって管理社会のもとで、自然から隔絶する形で作られた巨大なドーム都市を指す。この環境制御されたドーム都市で生活する地球人は、極めて内向きに閉じた思考様式になっており、自然や社会に対して怯えるようにして生きている。

 原題通り、かつての人類が自然に対してそうであったように”cave =洞窟”のなかにいるのである。

 この閉じた地球文明と、かつての宇宙移民の末裔である「宇宙人」とがコンタクトしているが、この宇宙人の文明は、地球のそれを更に凌駕した高度な科学技術を持っている。一方で宇宙人の文明自体も成熟が極まっており停滞し、文明としては衰退しつつある。

 ただ、地球人と宇宙人の接触において、科学技術的(武力的)には、宇宙人が圧倒的優位にあり、両者の交流はほとんど進展せず、不信が横たわっている。宇宙人に適わないストレスと、 ロボットに仕事を奪われ不満を募らせる地球人たちは「懐古主義者」と呼ばれる反機械運動の地下組織を作り、 暴動が何時起こってもおかしくない緊張状態になっていた。

 そんな中で、宇宙人の殺害事件が発生する。

 そして、その容疑者は明確に地球人であり、 地球人の責任において犯人を捜す必要に迫られる。

 その捜査担当に選ばれたのが、主人公イライジャ・ベイリである。そして、彼は宇宙人から派遣された人間そっくりな姿のロボット(R・ダニール)とパートナーを組むことを求められる。仕事を奪うロボットへの反感は、イライジャ自身も持っており、こうした心理も合わせて描かれる。

 1953年の作品であるが、ガジェット自体もあまり古びておらず、現代的に十分読むことができる。むしろ、未だに機械と人間の関係において、我々自身が解決できていない課題を改めて考える機会にもなる。

 捜査の過程で二転三転する仮説や事件の連鎖など、推理小説としての謎と解決の構成も素晴らしい。

 また、SFが持つ問題意識、すなわち文明の成熟、異文明の対立、その超克の方法についても、アシモフは真正面から解決シナリオを描いている。そこで問題となるであろう、人類とロボットの拠って立つ法的問題(ロボット工学3原則)、共存のための科学的概念( C/Fe )など、新たな概念も多く提示している。

 さらに旧約、新約の聖書を縦糸とした、SFというフロンティアが産み出す課題に対して、人類にとって普遍的な深さを与える効果も上げている(ラストまでつながる重要なモチーフになっている)。 

 そして、この重層的な物語としての魅力のうちで最大のものは、この小説の持つ”若々しい青春熱血小説”としての側面ではないかと思っている。

  イライジャ自身は43歳(続編の「はだかの太陽」で言及)で、決して若いとはいえない年齢であるが、それでも熱意は物語の中で常に変わらず、いろいろな方向に衝突し、エネルギーを放散している。そしてそれは時に誤りだらけで、あちこちでエネルギーロスを起こしている。

 しかし、最終的にその熱意こそが、最後のカギになるのである。 

 その傍らにいる、冷静そのもののロボットR・ダニールとの会話も良いコントラストを生んでいる。 

 主人公の熱意は最終的に、機械であるR・ダニール自体にも変化をもたらすことを予感させる。

 主人公は「熱血」そのもので、こうした若々しいエネルギーに溢れた面白い小説である。

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菊水酒造「菊水ふなぐち1番しぼりスパークリング」19度の高アルコール度数でありながら発泡で旨口!これはヤバい

 先日の新潟出張で、ついに入手した菊水酒造の「菊水ふなぐち1番しぼりスパークリング」。噂の一品である。

 ただでさえ濃口なのに、発泡させられたら、どうなるのか。さらにこのような飲みやすいボトル形状。ヤバいのである。マジで、すごい製品である(感心して)。

 そして実際飲んでみると、流石の19度。濃い。でも発泡がいい感じに緩和している。なので飲み口はなかなか良い。でも、結構グイグイ行くと非常に危険な感じである。

 これは、なかなかすごい商品で、上越新幹線の長岡駅で2本購入したが、終点の東京駅まで1本しか飲みきれなかった。

 濃いので、やはり進んでいかないのである。ただ、まずいとかそういう訳ではなく、濃いのである。

 これはこれでアリと思う。残り1本は会社のウワバミ同僚に分けようと決意するのであった。

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【次元の呪い】私が思う「かっこいい科学技術用語」、「響きが面白い科学技術用語」14選【オーマイゴッド粒子】

 色々と科学あるいは技術関連の仕事や勉強をしていると、「この定理の響きが、かっこいい」とか「ものすごく真面目な内容なのに、ちょっと間抜けに聞こえる」用語があり、メモ帳に転記していたら、そこそこ貯まったので、ここで少し披露したい。

 なお既にSFなどでよく知られている「事象の地平面(シュワルツシルト面)」のようなかっこいい用語や、「ラーメン構造」などどいう”擦られすぎている”用語は避け、あまり一般的に知られていないようなものを選択したつもりである。

次元の呪い

 既にカッコいい。ルパン三世のエピソードみたいな響きであるが、これは数値解析用語である。数値解析におけるモデル空間の次元(例えば、平面なら2次元、空間なら3次元)が増えることに従って、その解析時間は幾何級数的に増加していく現象のことをいう。応用数学者リチャード・ベルマンによるネーミング。(参考:wikipediaのリンク「次元の呪い」

病的な関数

 れっきとした数学用語である。関数が病的とは?と疑問に思うが、直観から外れた異常な性質を持つような関数を指す。例えば、ワイエルシュトラス関数と呼ばれる「至る所で連続であるが至る所微分不可能な関数」があり、これはのちにフラクタルの概念として現れた、自己相似的(観測スケールを小さくしていっても同じ構造が現れる)な性質を持ち、どこまでいっても”接線”、導関数を定義できない。(参考:wikipediaのリンク「病的な関数」 「ワイエルシュトラス関数」

アビリーンのパラドックス

 これは響きがかっこいいと同時にその内容が面白い。社会心理学における集団行動の事例で「ある集団の意思決定において、個々人が誰も望んでいない決定を選択してしまう現象」を指す。命名者は、経営学者のジェリー・ハーヴェイ。アビリーンはアメリカの地名で、ハーヴェイによれば、”ある家族がアビリーンへの旅行をするが、その地は旅行に適しておらず誰も満足しなかった。そしてその提案者も含めて誰もそこへ行くことを望んでいなかった”というエピソードによるもの。(参考:wikipediaのリンク「アビリーンのパラドックス」

ラザロ徴候

 これは響きも良く、内容も厳粛である。脳死とされた患者が時々手や体を動かす現象をいう。自発的動作であるのか、反射的な動作であるのかまだ議論が尽きていないようだ。脳死はヒトの死か、という問題にも影響する現象である。時に、両腕を動かして祈るような動作があるという。ネーミングの「ラザロ」とは、新約聖書「ヨハネによる福音書」の11章でイエスによって死から甦らせたユダヤ人ラザロに因む。イエスはイエスを信じないユダヤ人群衆に半ば責められながらラザロの墓に行く。

(略)「ラザロ、出て来なさい」と大声で叫ばれた。すると死んでいた人が、手と足を布で巻かれたまま出て来た。顔は覆いで包まれていた。イエスは人々に、「ほどいてやって、行かせなさい」と言われた。

新共同訳「ヨハネによる福音書」11.43-44

この奇跡によってユダヤ人たちはイエスを信じ、名声が高まるが、それを快く思わない人々たちが、イエスを捕縛・逮捕する契機のひとつとして描かれる。(参考:wikipediaのリンク「ラザロ徴候」 「ラザロ」

ポンデロモーティブ力

 これは単純に面白い響きで選んだ。ミスタードーナツの製品のような響きであるが、物理学用語。一様でない強度の振動する電磁場に置かれた荷電粒子がうける力をいう。ちょっと具体的な例では、質量分析における四重極イオントラップでのイオンがうける力として現れる。(参考:wikipediaのリンク「ポンデロモーティブ力」 「四重極イオントラップ」

ローレンツ・ローレンツの式

 これも単純に映画「ニューヨーク・ニューヨーク」みたいな響きを感じて選んだもの。屈折率と分極率の関係式で、由来は発見者が二人の同性ローレンツ氏、ルードヴィヒ・ローレンツとヘンドリック・ローレンツによるものである。(参考:wikipediaのリンク「ローレンツ・ローレンツの式」

パンケーキクラッシュ

 これは用語というか慣用語に近く、建築関係でビルなどの積層物が構造破壊した場合に、例えば下層階(1F)が上層階から押し潰されて”パンケーキが膨れたように”層状破壊することを指す。のどかなスイーツを連想させる携帯アプリのゲームかな、と思いきや、内容は重いのである。(参考:wikipediaのリンク「パンケーキクラッシュ」

シロキサン

 「白木さん」ではない。ケイ素と酸素を骨格とした化合物を指す。高分子化合物であるシリコーンはシロキサン結合を持ち、半導体製造の現場では低分子シロキサンが半導体の微細回路の絶縁不良の原因になるとされ、忌避される。この手の書類を頻繁に書く場合には日本語入力ではシロキサンとして単語登録しないと毎回「白木さん」が候補に出てきてストレスが溜まる。(参考:wikipediaのリンク「シロキサン」 「シリコーン」

どこでも効果

 ドラえもんの道具のような響き。英語ではlook-elsewhere effectというらしい。しかし、物理学、特に素粒子物理実験の統計処理に関する用語である。データが極めて多い実験結果から有意な結果を導き出す際に「偶然によって起こった見かけ上の有意差」を事前に排除する必要があるというものである。(参考:wikipediaのリンク「どこでも効果」

テキサスの狙撃兵の誤謬

 これも統計学における用語で、由来は狙撃兵が何もない壁に向かって銃を乱射し、射撃後に壁に開いた穴の中から一番そこに集中した点を中心に”後から同心円を描き”、自分の射撃の腕前を過剰に見せた、とするジョークからきている。いわゆるランダムな点群から、何らかのパターンを読み取ってしまうという誤謬にも関連する(参考:wikipediaのリンク「テキサスの狙撃兵の誤謬」

エデンの園配置

 あるルールによって生成・消滅が定義されるセル・オートマトン(例えばライフゲームのような)の時間発展において、初期配置以外で生成されない配置をいう。旧約聖書「創世記」の「エデンの園」(最初の人類、アダムとイブだけがそこにいて、楽園を追放されてしまって二度とそこには戻れない」から由来する。(参考:wikipediaのリンク「エデンの園配置」

ノーフリーランチ定理

 フリーランチ=ただ飯である。要するに「ただ飯のような美味い話は無い」という意味である。SF作家ロバート・ハインラインの名作「月は無慈悲な夜の女王」において有名になったフレーズ(※)There ain’t no such thing as a free lunch.に由来する、組合せ最適化問題における用語。ある問題を解く場合に、あらゆる問題に汎用化されたアルゴリズムというものは存在せず、もしその汎用化されたアルゴリズムより性能の良いアルゴリズムがあったとしたら、それはその問題にのみ特化したから(他の問題では汎用以下の性能)であるということを示す。ある意味、情報処理における「エネルギー保存則」を示している。(参考:wikipediaのリンク「ノーフリーランチ定理」)※ただし、この文章自体は英語で「タダより高いものはない」を意味する慣用句でもある。

帆立貝定理

 のどかな名前で、実際にもまさに「帆立貝の海中遊泳」を説明した流体力学の定理である。「低レイノルズ数においてニュートン流体中を遊泳するものは、時間反転しても非対称になるように変形しなければ推進できない」という内容。(参考:wikipediaのリンク「帆立貝定理」

オーマイゴッド粒子

 本編の最後を飾るのは、このようなふざけた名前だが、これもれっきとした物理学用語である。1991年に観測された超巨大な高エネルギー粒子に、観測者がその観測データに「Oh My God」とペンで記載したことから命名された。(参考:wikipediaのリンク「オーマイゴッド粒子」

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【目標;3ヶ月で-5kg】ダイエット第8週(11/19〜11/25)の結果報告

ダイエット1週間の記録:第7週目(11/19-11/25)

 結果:体重減 1.6kg  累計(-14.25kg)

 既に2ヶ月が経過し、なかなか良いが、これから忘年会シーズンも到来して、低カロリーな食生活中心でのダイエットも計画が苦しくなってきた。

 加えて、やはり基礎代謝が落ちているのか、カロリー計算の収支が次第に合わなくなってきたようだ。明らかに減りの傾きが緩やかになっているのである。運動負荷も日常の中で限界もあり、そろそろ基礎代謝アップのため筋トレでもやらなくてはいけないのだろうか。でも、そこまではしたくないし・・・というモヤモヤ状態である。

 とは言え今回少しサイズダウンしたことにより、光明も見えてきた。背広などのロストが低く抑えられそうな気がしている。

 やはり、デブは特殊体型なので、既製品が限られる。実質的にビッグサイズの店に限られ、この数年は「サカゼン」ユーザーになっていた。ただ結局バリエーションやコストなどの面から、デブ専門店のものは選択肢狭め+割高であって、ようやく少し普通の紳士服販売店の大きめコーナーに行けそうな気がしてきた(まだ行ってはいない)。

 既に2ヶ月終了が近づいているが、ハガキは1枚、電話は「無理なさらず」の1回だけ(前回記事参照)。なんのためのプログラムなのか、いまいち良くわからないままである。

 上記プログラムはどうでも良いとして、個人的には来春の健康診断における体重計測までは、ある程度の体重をキープしないと、このダイエット地獄の無限ループになるのでこの輪廻から抜け出す意味でも、最低でも来年3月くらいまでの射程で計画を立てなくてはいけないと思いつつある。

 今回食べてよかったものは、ローソンのサラダチキンスティック。手軽で食べやすい。1本60kcal程度なのも良い。

【肉体の変化】

  • 酒に酔いやすくなった気がする(無意識で、つまみを少なめにするからであろうか)
  • 低栄養に伴う冷え性で、手足の冷たさが堪える

【メンタルの変化】

  • 集中傾向は変わらず
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【書評】江戸川乱歩「D坂の殺人事件」(創元推理文庫)–「日常なるもの」「常識なるもの」に対する根源的な不信

 江戸川乱歩の短編集「D坂の殺人事件」(創元推理文庫)を読んだ。

 10編の短編が収められ、探偵小説だけでなく幻想的な小説なども収められているが、どれも”乱歩”テイストがすごい。

 具体的に言うと、既に知られているように、乱歩が持つ”趣味”が小説中に横溢している。サディズム、マゾヒズム、性倒錯、死体趣味、グロテスク、腐敗、などといった”特異な趣味”が小説の構成に1本の軸として貫かれている。

 明智小五郎の登場作である表題作「D坂の殺人事件」ですらも、探偵小説としての謎解き要素を持ちつつ、そうした趣味が重要なキーパーツとして登場している。

 今回編まれた短編集の意図としても、探偵小説、推理小説としての乱歩というよりも、そうした独特な文学性に注目した選定をしているようだ。謎解き、という構造だけでなく、奇妙な味テイストなもの(例えば「二廢人」「赤い部屋」「毒草」「白昼夢」「防空壕」)、幻想小説的なもの(例えば「火星の運河」)などが収録されており、純粋な探偵小説的な構造をしている作品の方が少ないことからもそれが伺える。

 乱歩が持つ特異な美意識が最も鮮明に描かれているのは、戦後に書かれた「防空壕」であろう。ここで乱歩は大胆にも、空襲によって虐殺される非戦闘民の風景を、ある種の”美しさ”として繰り返し主人公に発露させるのである。その執拗な”美しさ”の描写によって、本来倫理的な問題を一段上位の文学的な主題として成立させている。確かに読者も同様に、その乱歩が呈示する”美しさ”の前に否応なく立たされる結果となる。

 ワーッというわめき声に、ヒョイとふりむくと、大通りは一面火の海だった。八角筒の小型焼夷弾が、束になって落下して、地上に散乱していた。僕はあやうく、それに打たれるのをまぬがれたのだ。火の海に一人の中年婦人が倒れて、もがいていた。勇敢な警防団員が火の海を渡って、それを助けるために駆けつけて行った。
 僕は二度と同じ場所に落ちることはないだろうと思ったので、一応安心して、火の海に見とれていた。大通り一面が火に覆われている光景は、そんなさなかでも、やっぱり美しかった。驚くべき美観だった。

「D坂の殺人事件」(創元推理文庫)所収「防空壕」p.284

 乱歩の文学に通底するこの美意識とは、人間や人間が作り出す文明に対する根源的な不信感に基づいた、極めて冷徹な客観的視点によるものであると思われる。日常の常識な倫理すら、遥かかなたに置かれた状態での視点である。

 その点において、作風として全く異なる(性的なものを徹底排除した)星新一を乱歩が認めたという事実は非常に良く理解できる。両者は共に、ある種の「日常なるもの」「常識なるもの」に対して、根源的な不信感を持っている点に確かな共通項を有していたと思える。

 

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【書評】カーター・ディクスン「プレーグ・コートの殺人」オカルト趣味たっぷりの古典ミステリ

 カーター・ディクスン(ディクスン・カー)の初期の傑作「プレーグ・コートの殺人」(ハヤカワ・ミステリ文庫)を読んだ。

 プレーグ(Plague)とは「黒死病」すなわち「ペスト」のことである。かつてヨーロッパで多くの人々の命を奪ったペストの流行にまつわる暗い言い伝えを持つ館で起こる密室殺人である。そこにさらに降霊術などのオカルト要素が入り、一貫して不気味な雰囲気を読者に与えている。

 そういう意味では、この原題は「黒死館」の「殺人」であって、小栗虫太郎のあのデコレーションな小説を想像させるが、そんなことはなく、ぺダンチズムも抑えめな探偵小説である。

 さらにこの小説は、名探偵ヘンリー・メリヴェール(H・M)の初登場作品でもある。短躯(といっても177cmある)でデブ、片付けができず、態度も尊大、口も悪く、下ネタ好きというなかなかのキャラであるが、頭脳は極めて優れている。

 トリック自体は現代目線で見ると、既に知られているものであると言えばそうなのだが、それでも十分楽しめる。

 完全な密室、容疑者の二重の消失と、エンターテイメントとして飽きさせない構成となっている。

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