「蒙古タンメン中本」は確かに旨いのだが、その辛さに関してはどこまで追求すべきかで、いつも悩んでいる。
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今の私の辛さ耐性の実力では、いわゆる”普通”の蒙古タンメンで充分なのである。
”充分”という理由は、食べた結果として発汗が半端ないし、水分補給もこれ以上は無理なところまで来ているし、口の周辺の痛覚に訴える効果も旨さと拮抗してしまうぐらいのレベルだからだ。
だが、店にはこれより辛い「北極」というラーメン、さらにその辛さを何倍にもできるオプションがある。
正直、これ以上高みを目指すつもりはないのだが、指標を定義されてしまうと、人間心理としてどうしても、その指標を良化させるようなインセンティブが働いてしまう(これはダイエットのレコーディングと似ていると思う)。
だが、「注文したのはいいけど、辛くて食べられない」というのは失態であり、恥ずかしいので、やはりこれ以上のレベルには挑戦できず、いわば足踏み状態であった。
そんな中、先日の飲み会帰りに、セブンイレブンで発売されたカップラーメン「蒙古タンメン中本 北極ラーメン」を購入してみた。
これなら失態もなく、全て自己責任でクローズできる。まさに、この足踏み状態を打開できると目論んだ。
まず開封した瞬間、揮発成分で目がちょっと痛くなる。嫌な予感。なかなかの唐辛子成分が予想される。
1階の居間でお湯を入れたら、何か2階で寝ていた家族がゴソゴソと起き出す気配が。どうやら揮発した匂いで眠りを妨げるほどの効果。マスタードガスか。
そして、待つこと5分。食べてみた。結論としては、非常に美味い。太麺に絡んだ旨辛スープが堪らない。
まさに旨い+辛いの極致である。
しかし、とにかく、辛い。というか、痛い。
口の周りの神経にくる痛みである。更に熱さまで加わって、はっきりいって苦しい。
だが、不思議なことに美味いのである。
なんだかよくわからなくなって、結果、スープまで完飲してしまった。胃袋は大丈夫なのだろうか。
個人的には、白土三平『カムイ伝』において溶融した鉄を飲み込んだゴンのようなイメージが頭をよぎった。
これは大人限定であろう。子供はかなりキツイのではないか。ここまで辛く、そして旨さを加えた設計に、脱帽であり、肉体的にもかなりのインパクトがあるカップラーメンであった。